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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1996.12
- 出版社: 清流出版
- サイズ:20cm/418p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-916028-30-9
紙の本
レナの約束
著者 レナ・K・ゲリッセン (著),ヘザー・D・マカダム (著),古屋 美登里 (訳)
幸福な生活を家族とともに送っていたレナ。ところが、一家に不幸が訪れる。レナは妹とともにあのアウシュビッツで死と隣り合わせの日々を送ることになる。過酷な状況のなかで、助け合...
レナの約束
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商品説明
幸福な生活を家族とともに送っていたレナ。ところが、一家に不幸が訪れる。レナは妹とともにあのアウシュビッツで死と隣り合わせの日々を送ることになる。過酷な状況のなかで、助け合い、励まし合う人々がいた。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
レナ・K・ゲリッセン
- 略歴
- 〈レナ・K・ゲリッセン〉ポーランド生まれ。現在は夫とともにノース・カロライナ州の山岳地帯に暮らす。
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紙の本
アウシュヴィッツ収容所の生還者が語る話
2003/06/27 14:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:吉田くに - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は温かく幸福に満ちていた毎日が戦争によって破壊され、愛する人々
と離れ離れになり、アウシュヴィッツ収容所という想像を絶する生活環境の
中で大切な一人の妹を守り続け、生きる望みを捨てず死と隣り合わせの日々
を戦い続けたレナという女性が当時の全てを語った本である。
レナの体験は全て日記形式で書かれていて、人間の極限状態というものが
身にしみてくる感覚になる。生々しく綴られる殺戮、人体実験、暴行の様子、
そして姉妹を襲う飢餓と病気。永遠に続くと思われる過酷な重労働の日々の
中で狂気に満ちた殺人現場を見、隣で頭蓋骨が割られる音があたかも自分の
側で聞こえてくるような気持ちになる。現実に起きたことなのだから受け止
めなくては、と思ってはいても時折吐きそうになる。
大勢の女性が生理を止められ不妊手術を強制され子孫を残すことも許され
ず、自分達の血筋をズタズタに虐げられ、滅ぼされても、収容所の人々は団
結・協力して生を、自由を渇望する。極限状態の中でもこれ程までに人間は
強くなれるものなのか。そういう時にこぼれるレナ達のわずかながらの微笑
みや年頃の恋と呼べる命懸けのやりとりに一層胸をしめつけられる。
そしてレナの、「人間らしくありたい」という一途な思いと「妹を守る」、
という両親への約束を胸に、やがて本当の自由と希望を勝ちとる姿は本書の
中で最も素晴らしく、今後も後世へ語り継がねばならない真の人間の姿であ
ろうと思う。
本書は良し悪しの判断を下すような本ではない。
ただし、唯一私から言うとすれば戦争を知らない世代ならばなおさらのこと、
必ずや読んで頂きたい本であると思う。これは、事実なのだ。
何の罪もなく時代の流れるがままに戦渦に巻き込まれ虐げられた人々が大勢
いて、数え切れぬ程の犠牲者を出し、そういう恐ろしい時代を経て今の自分
がこうして楽に息をして自由に暮らしているということを知って欲しい。
本書は時や国籍を越えて、永遠に語り継がれるべき一冊であると思う。