紙の本
論客呉善花の原点
2002/01/30 12:12
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投稿者:EIJI - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本で働く韓国人ホステスの緻密な観察から、韓国文化と日本文化を相対化させたベストセラー。それを成し得た観察眼は、著者自身が「夢のない人たち」に見えた日本人との摩擦を乗り越えた末に獲得したものである。実に鮮やかだ。これほど読後感が爽快なノンフィクションはそんなに多くない。普及版として角川文庫におさまったことをとても嬉しく思う。関川夏央による文庫版の解説もなかなか興味深い。呉善花の著作は多数におよぶが、これだけはぜひとも押さえておきたい。
紙の本
1990年代の韓国女性の現状を知ることができた貴重な本
2001/01/20 15:28
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投稿者:もぐもぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
27歳の日本留学から日本人を理解し、日本人に同化してきた著者による、日本人としての目から見た韓国女性の生き方が描かれている。
考えていたよりも韓国女性の置かれている韓国での環境は厳しいものであり、日本は女性にとってまだ働きやすく、幸せでいられる環境であるのか、ということが理解できた。さらに日韓ビジネスや言葉使いなど、韓国人の生活の背景も見えてきた。もっと早くこの本を読んでいればよかった、と思わされた。同じ研究室の李さんをもうちょっとよく観察?してみよう。
ただし、この本が出版されたのは10年前。現在の韓国がどんな風に変わってきているか、とても知りたい。
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副題は日本永住を目指す韓国女性たちというもので、その背景を著者は韓国という国そのものにあると指摘。
昨今、韓国の純愛ドラマが日本では話題だが、この純愛への認識が日本と韓国では全く異なることがよくわかる。
既に出版され15年近くたっているが、韓国人女性による韓国批判は当時話題となったようだ。
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図書館でみつけて一気に読み上げた本。まず、著者に会いたくなってしまった。冬ソナ、韓国ブームだけど、国民性が理解できるシリーズ
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韓国がオリンピックを経て高度成長時代に入り先進国の仲間入りをした頃、さてその民族はどうしていたか。日本と似て非なる文化の一面を、韓国ブームよりもずっと早くこの人は日本の注ぎ込んでいた。続編も沢山でている。
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「泥棒に入られた」これは日本の文化に根ざした言い方。受身の姿勢。あくまでも悪いのは自分。自分が悪いと省みる。
「泥棒が入った」これは韓国の言い方。主体的な文化。あくまでも悪いのは泥棒。他罰的な文化。
在日韓国人として日本の人に読んで欲しい本。インターンでインタビューの時に上智の留学生相手にこの話をして、すごくスムーズに取材することができた。本は読んでおくべきと思った瞬間です(≧ω≦)
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27歳で日本に留学して8年後に学生をしつつ、仕事を始め、さらにこういう本を出せるようになるほど、日本をよく見ている。運や時代、本人の頭の良さだけではとうてい計り知れない、バイタリティを感じる。なんとなく頭で思っていたハングルという文字の限界に言及していて、面白い。(2007.2.24)
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爆笑して読んだ。凄く面白い。少し古いので現在の韓国がどうかは判らないがこの一冊で韓国人にときめける。
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韓国人の著者が感じた日本人と韓国人の考え方の違い。韓国人から見て理解しがたい日本人の考え方や、常日頃から不思議に思っていた韓国人の激しさの理由が解り、面白かった。日韓比較のありがちな本だけど、この本は他のものより深くつっこんであると思う。
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日本での生活が長い筆者が、日本との比較をしつつ、韓国という国をぶった切っている一冊。
ちょっと時代背景は古いけど、今でも興味深く読めます。
当時、これを書いた彼女の勇気に感服。
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韓国からのエリート女性が、残念な日本留学生となり、まじめに日本を理解しようとすればするほどわからなくなるという日々を乗り越えていま、その目で見た日韓の比較文化論的エッセー。
目からうろこで、日韓情勢のニュースがそうだったのかと今更ながらによくわかる。
過去の権威を否定して、自らの王朝文化の正当性を主張し、儒教の一側面を固く守り上下の支配体制を固めてきた李氏朝鮮時代の見えざる呪縛が根底にあるという説には納得。そこからはじまる男尊女卑、なぜ女性は韓国を飛び出し日本へと向かうのか。大変興味深く読むことができた。
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韓国の文化を勉強し始めたときに、偶然、古書店で見つけた本。
韓日両面からの視点で、韓国文化や生活を見つめた本は、それまでのガイドブックや、難しい評論にはない新しさで、一気に読んだ。大変面白い。
以来、著者の呉善花氏の作品は、ほとんど読んでいる。私にとっては、どのガイドブックよりも参考になったと言ってよい。
著者は、私より数年歳上のようだが、いろいろな本を通じて語られる著者の大学、大学院留学時代の韓日関係が触れられるところは、同時代の懐かしさと、緊張感が蘇る。
韓国で仕事をするとき、「あぁ、このことね」と、うなづくことも多い。私にとっては好きな著者であるが、韓国からの留学生の中には、違う評価をする友人も多いので、ちょっと評価が分かれるかもしれない。
いずれにしても、私にとっては、韓国文化を学ぶ、最初の本として印象の強い一冊。
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1990年に日本留学中の韓国人女性によって書かれた日本・韓国の文化・習慣を洞察した本。
今2012年、日韓の関係悪化のさなかでたまたま家で発見し一気に読み終えることができた。
著者は韓国人でありながら、日本文化にかなり精通しているといえ、20年前当時の韓国人ホステス事情を中心に、韓国の風習と日本の風習の違いを際立たせて述べている。
この本の中では、韓国の経済ががいま発展途上であることを前提に、またその文化が韓国の経済発展や国際的立場の確立を阻害しているとの指摘が多々見られ、彼女の目から見ると日本と比べ未熟であると示唆していると読み取れる。
韓国ジャーナリズムが日本ばかりを責め、反省を行わないことや、処女性重視の社会、男尊女卑の文化などが批判的に語られている。
またハングルが持つ弱みを述べ、暗に漢字懐古を望んでいるのではないかとも伺える。
彼女は今日本に帰化し、日本国籍を持っているようです。
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日本にきたホステスではない韓国女性の、日本に働きにくる韓国女性を一面とした韓国論・日本論。1990年の著述なので表層的には現在と異なることも多いはずだが、多くのことは今も変わらないんだろうな。
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韓国と日本の文化の違いについて面白く読める。韓国が男性的で日本が女性的という感じは正にその通りだと思う。韓国語は確かに力強い。「カムサハムニダ」(ありがとう)など、最後にニダで終わるのが、インパクトに富む。また贈り物⇒返礼の風習の違いもなるほど!