「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
若いぼくらにできること 体験的青春論 (岩波ジュニア新書)
若いぼくらにできること
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
たたかう俳優の冒険記録
2002/07/25 00:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:17Caesun - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢がなければ生きていけない、といわれるが、自分の抱いた夢を
捨てきれず苦しむ人もいる。役者を夢見る著者は、夢を持ち続けられず、
結果として夢に破れるのは自分が弱いせいである、と断定し、様々な
試練を自分に課し、それをクリアしていく事で強くなろうとする。
とは言うもののやる事はメチャクチャ。
役者の夢に懸ける思いが本物である事を父に証明するため、自衛隊に
入隊し2年間の訓練に耐える(ここから既に何かおかしいのだが)。
東京大阪間マラソンに挑戦し、奥多摩の山奥を何の装備もなしで彷徨い、
吹雪が吹きつける北海道の山を徒歩で越える。
一歩間違えれば、というより“本来なら”死ぬ筈のところを運良く生き延び、
何かをつかむ。役者の技術を磨く事とはほとんど関係ない内容ばかりだが、
漫画の「過酷な修行に耐えられるか」を地で行く行動だ。
食物も持たず山を彷徨い、次第に人間としての行動を忘れ動物化する
場面は圧巻である。つまり、生死の境を彷徨うほど苦しめば、他のささいな
苦しみなど感じなくなる、という荒っぽい哲学を実践する人なのである。
普通の人なら2,3回死んでいてもおかしくない。
彼の考えの是非は置いておき、単純に現代の冒険者の記録と考えて
読むのが良かろうと思う。人間の限界が意外に深い所にあることを知り、
読むだけでも何か行動力をかきたてられる。
なぜか児童向け図書の扱いを受けているが、大人にも何かを訴えてくる内容である。