- カテゴリ:小学生
- 発行年月:1997.7
- 出版社: 徳間書店
- サイズ:19cm/114p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-19-860739-7
紙の本
オーディンとのろわれた語り部
著者 スーザン・プライス (作),パトリック・リンチ (挿絵),当麻 ゆか (訳)
邪悪な魔法使いは北の果ての国の女王と結婚したいが為に、国一番の語り部に自分をほめさせようとするが、語り部の若者はそれを断ってしまう。怒った魔法使いは神オーディンの力を借り...
オーディンとのろわれた語り部
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商品説明
邪悪な魔法使いは北の果ての国の女王と結婚したいが為に、国一番の語り部に自分をほめさせようとするが、語り部の若者はそれを断ってしまう。怒った魔法使いは神オーディンの力を借り恐ろしい魔物を作り出し若者を襲うが…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
スーザン・プライス
- 略歴
- 〈プライス〉1955年イギリス生まれ。神話、ヴァイキングと北欧をテーマに物語を書いている。著書に「ゴースト・ドラム」など。
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紙の本
知恵と勇気の物語
2002/03/24 06:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
邪悪な魔法使いグヴェルドルフは北の果ての国の女王と結婚したいが為、自分のことを称える物語を語れと、アイスランド一の語り部トードに命じる。だが彼が勇気をもってこれを拒絶した為、怒った魔法使いはオーディーンの力を借り、恐ろしい死霊を作り出し、語り部の住む農場に差し向ける。人々は恐怖のあまり逃げ出し、最後に残ったのはトードとみすぼらしい老婆だけ。そこで二人はある約束を交わすのだが……。
短い物語だがそれがさほど気にならない。北欧神話を基盤にした、と書いてるだけあって、それらしい雰囲気が作品の中に漂っている。特に死霊に立ち向かう手段が斬新。民話や北欧系の古い物語などが好きな人にお薦め。
紙の本
指輪物語など北欧風の物語が好きな人にお勧め
2002/06/28 12:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヴァルハラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
北の果ての国テューレの女王と結婚したいが為に、邪悪な魔法使いクヴェルドルフはアイスランド一の語り部<ネコのトード>を自分の事をたたえるように脅す。悪の為に語りの力を使えないとトードが断ると、オーディンの力を借り恐ろしいばけものを作り、トードの農場に差し向ける。農場の人々は次々と逃げ出し、最後に残されたトードと物乞いの老婆は知恵を出し合いばけものと立ち向かう。
北欧神話をヒントにしたと書かれてあるように、北欧の寒さが感じられる作品です。
北欧神話が好きな人にお勧め。
紙の本
魔法とは言葉だ!
2000/08/16 17:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広瀬恒子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず表紙カバーの絵が凄いのです。
灰色の髪を長くのばし、目はするどく肩には大ガラス、右手につるぎ、左手は今にもつかみかかろうと迫ってくる男——邪悪な魔法使いクヴェルドルフ——の表情が、このお話への興味をそそります。
北のはての国テュ—レの女王が結婚の相手をさがしていると聞いた魔法使いクヴェルドルフ(「夜のオオカミ」の意)は王になりたい野心から、女王に気に入られるよう自分をほめたたえる物語をアイスランド一の語り手ネコのトードに語らせようとします。
しかし、トードは「悪いことのために、物語る力は使えない」と、ことわります。
怒ったクヴェルドルフは、ばけものを使ってトードの農場をおそい、トード一家を散々に苦しめます。さいごにもうこれまでかという危機の瀬戸際で、物乞いの老婆の知恵を借りたトードはこの恐ろしい魔法使いに打ち勝ち、仕合わせを手に入れたのでした。
さりげなく登場していた老婆の正体が実は・・・と明かされ、読者としては納得のいくエンディングになっています。
作者のスーザン・プライスには北欧をテーマにした『ゴースト・ドラム』(ベネッセ刊)というカーネギー賞を受賞した超ユニークな作品がありますが、この話も古くからアイスランドに伝わる神話を下敷きにしていて、死霊、魂がただよう独特の雰囲気の作品世界にひたることができます。
自分を裏切らない不屈の精神の持ち主トードだったからこそ「たとえバケツから水が一滴一滴したたるようすを語ってもみな夢中になってひと晩じゅう耳をかたむける」お話を語れたのだと思います。
真の語り手とは、人間の良心と真実にかかわる深い志にささえられているのだと、あらためて感じ入る異色の作品です。