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商品説明
韓国社会における死の扱いを分析し、「烈士」の誕生と生成過程を考察した力作。また、最も重要なキーワード「恨」とは何かを問い、「社会構造」や「民族」といった観点まで洞察する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
かなりマニアックだが、読めば韓国の国民性がわかる。
2016/01/24 22:18
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投稿者:照月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国は儒教思想の強い国なので、両親への考の概念は非常に重要視される。なので、親より先に死ぬというのは最大の親不孝と言われるし、ましてや親より先に自殺するというのは、本来冷淡視される。
しかし、チョン・ドゥファンを中心とした軍事政権下における民衆運動において、若い人の抗議自殺相次いだ。本来冷淡視されるべき行為だったが、彼らは英雄視され、民衆運動のシンボリック的な存在になった。
キリスト教だったら、自殺をした人が英雄視されるのは、ありえない話である。
また最も苦しい焼身自殺を選んだ人が多い。これも意味があり、残された人々に対するインパクトが強いという理由で、過酷な手段を選ぶのである。
儒教の教えに背く彼らが、何故崇拝されるのか。それを解説した本である。
例えば「韓国のイエス」といわれた全泰〇。貧苦に苦しんだ環境から這い上がることが出来ず、1970年11月13日社会の矛盾を訴えて自殺する。死後神格化される。
彼は苦しい状況から逃げるために自殺したのではなく、社会矛盾を世に訴えるために自殺したのであり、「運動圏内における自殺は、公権力における他殺である」と解釈されるそうである。
言論の弾圧、考えられないほどの都市と農村の生活の格差、1980年には光州事件が起きる。
「軍事政権を支持することで西側の安定を保持しようとするアメリカこそが、韓国社会構造の矛盾の元凶」と認識され、批判の先はアメリカに拡大する。
「政権を交代させ、統一を成し遂げ、アメリカの影響から抜け出して初めて、私たちは自由に生きることができるのです。いつになるかわからないけれども、その日まで我々はずっと闘いつづけなくちゃいけないんです」
1991年4月26日姜慶大殴打致死事件の際の、故・文益〇(火へんに右は換)の言葉である。