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紙の本
一生心に生き続ける本
2001/06/28 16:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:miho_tokeshi - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者のデビュー作『AGE』と、それを元に生まれた人気シリーズ『グラスハート』のアナザーサイド的4短編をまとめた結構マニアック(?)な一冊。
しかし。ハッキリ言って、この本が私の若木作品No.1!!だ。墓場まで持って行きたいと思った本は、これが初めて。それくらい、素晴らしい。
『グラスハート』シリーズは、作者の数多い作品の中でも特にムキ出しの言葉・ムキ出しの感情が詰め込まれた、(ヘタすれば一文で心臓貫かれて死んでしまいそうなほどの)痛みと熱と輝きを放つシリーズである。
ten blankというバンドの音楽活動を中心に、様々な人の様々な感情が渦巻き、まさにカオス寸前、小説と散文のギリギリの線を常に走り抜けていく。大部分が雑誌連載のため、作者の文体もどんどん変化し、後半などほとんど装飾を削ぎ落とした、狂気(凶器)ともいえる一文が並び始める。
この気持ちを、空気を、音を伝えたいと叫びながら、読者の目前に迫ってくる。こんな文章を書ける作家は、そうはいない。強い想いがあるから、色褪せない言葉になるのだ。
高校生の視点、ギタリストの視点、漫画家の視点、様々な方向からそれぞれのキャラクターが「光」を目指す。
それはあまりにも眩しく、妬ましいほど羨ましい光景。
最後に同時収録のエッセイですら、言葉は私たちを貫く。
作者の想いが一番ストレートに刺さってくる一冊。多くの人に読んでほしい作品集です。