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商品説明
長引く戦乱に荒廃する村むら。山上がりして戦さに不服従の意志を貫く農民たちの中に、元足軽の若者・九郎がいた。民衆が戦乱を終結させた、山城国一揆のたたかいと人々をダイナミックに描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
後藤 竜二
- 略歴
- 〈後藤竜二〉1943年北海道生まれ。早稲田大学卒業。日本児童文学者協会会員。「天使で大地はいっぱいだ」でデビュー。作品に「たんぽぽ飛ぶころ」「1ねん1くみ1ばん」シリーズなど。
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紙の本
歴史オンチがススメる歴史小説
2002/02/10 14:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青木 春重 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハッキリいって歴史オンチの私。本は分厚く、難しい言葉もたくさん出てきそうな気がする。最後まで読めるかなあ…。ところが、これが読み出したらもうとまらない!
「歴史」を知るという事は、かつて生きていた人々が何を思いどう行動していったかということなのですね。学生時代、年号や人名や言葉を覚えるだけで、「歴史」が自分とつなっがているなんて実感,全然持てなかった。さまざまな出来事の意味や本当の価値など考えたこともなかった。そんな私が、500年前に民衆の力で戦乱を終わらせた事や民衆の国が8年も続いたという事を深い感動と共に実感できたんです!
登場人物1人1人が、本当に魅力的で彼等に引っ張られてグイグイ読めました。特に、主人公九郎の心の動きはとても丁寧に描かれています。生きる気力さえ失っていた九郎ですが、困難な中、精一杯人間らしくいきている人々のなかで生きる力を取り戻し、人間性に目覚めていきます。自分の下で働いて欲しいという狛山城守秀(狛秀)の申し出に、「自分の主人は自分でありたい」とキッパリというくだりはとても印象的でした。また、自分の居場所はどこだろうと探し求める姿はせつないまでに胸に迫ります。
物語は、さまざまな立場や背景の登場人物から見た戦乱の世も語られます。まるで何本もの糸のようです。そして、それはやがて1本の太い束となってクライマックスへと向かいます。重厚です。ひとつひとつ研ぎ澄まされた言葉が、物語により一層の緊迫感をもたらします。
歴史オンチの私ですらこんなに楽しめたのだから、歴史に明るい人ならきっと何倍も楽しめることでしょう。ぜひ、読んでみてください!