「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ゴーイン・ゴーマン美形王子と不幸な美少年騎士が、力合わせてスター・ウォーズ!
2001/02/16 14:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木村由利子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
メビウス銀河辺境のレイク侯爵は、邪悪な魔術師にそそのかされて、王国に反旗をひるがえした。勝ち目がないとわかっているのは、15歳の末息子ランスロットだけ。彼は美少女に化けてアーサー王子を暗殺しようと謀るが、あっさりと捕らえられる。その日から、ランスロットの屈辱の日々が始まった。
王国の後継者アーサー王子は「抱かれたい男」3年連続トップに輝く超美形。ただし性格は宇宙一ジコチューなゴーマン青年だ(「アナザ・カントリー」の頃のルパート・エペレットに演じさせれば、ぴったりかも)。しかも並びなき剣の使い手とくるから、止めようがない。行け行けどんどんのアーサーの前で、星獣は倒れる、宇宙艦隊は破滅する、星系は吹っとぶ。もうやりたい放題。
奴隷と化したランスロットは、アーサーをだました罰としてメイドの征服を着させられ、首にはセンサー付きのチョーカーをつけられる。アーサーから離れると、自動的に首がしまる仕掛けだ。そんな不幸な少年騎士を見ても、同じメイドのマーリンは「ランスロット様ったら、かわいい・」とほほえむばかり。このマーリン、いつも美少女の姿をとっているが、ことあれば魔狼に変身するアンドロイドで、アーサーを心から慕っているらしい。
物語の前半で父王ユーサー・ペンドラゴンが亡くなる。アーサーに跡を継がせたくない将軍たちは、ガウェイン家の女騎士リュネートを立てようとする。王となるためには、祖先の星地球と繋がっていたという、伝説の「銀河回廊」を発見しなければならない。アーサーは戦艦「エクスカリバー」を乗っ取り、探索の旅に出る……。
登場人物の名前以外、「アーサー王伝説」とはあんまり関係がない。宇宙戦艦を率いつつ剣で戦う、おちゃらけ版「スター・ウォーズ」である。でもとにかくテンポがいいんだよね。お話を読む楽しみを、存分にくれるのだ。ミョーにハイ・ファンタジーっぽい、使命感だの倫理観だの自己犠牲だのをふりかざさないところも交感がもてる。アーサーが実はタダのジコチュー男ではないらしく、マーリンには秘密があることも、読み進むうちにわかってくる。純情なランスロットは、アーサーの素晴らしさがほの見えたように思うたびに期待する。そしてすぎに裏切られ、「はうううう…」と脱力する。その姿が、「かわいい〜・ ランスロット、早く続きがよみた〜い」と思わせる。たまには物語をただ読むだけの楽しみにひたってみては? 私ならたまにどころか、しょっちゅうでもいいぞ。