紙の本
豪華な執筆陣
2002/07/12 13:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:scarecrow - この投稿者のレビュー一覧を見る
「リング」の鈴木光司、「パラサイト・イヴ」の瀬名秀明、
「墓地を見おろす家」の小池真理子、etc…と
豪華な作家陣によるホラー(?)短編集。
内容は他の短編集の類に洩れず、作品別の完成度が
バラバラなので総合評価は★三つとしました。
が、遅筆なことで有名な瀬名秀明氏の作品が入ってることに注目。
しかも彼の作品「Gene」は短編ながらも特長が良く出ており、
なかなか読ませてくれる良作となっております。
つまり、瀬名秀明のファンならそれだけで買いです。
また、小林泰三氏のファンの方は「兆」が
収録されている事にも注目して欲しい。
というのも、「兆」は小林泰三の作品の多くに出てきている
謎の存在なのだが、それの原点がここにあります。
本書は誰にでも手放しで薦められる存在ではないが、一部の
ホラー小説ファンの方にとっては非常に貴重な存在と言えると思う。
紙の本
小林泰三氏の作品が好きな人におすすめ!
2003/01/29 06:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:akizawa - この投稿者のレビュー一覧を見る
小林泰三氏の作品が好きなので、買ってしまいました。
氏の作品の多くは、彼特有のなまなましい雰囲気が満ち溢れており、その世界感にひたっているだけでも十分に楽しめます。
この本に収録されている『兆』もそのひとつで、もし彼が、日常風景の一部を切り取って描いていても、そこは、すでに非日常の雰囲気につつまれており、気がつくと、日常そのものが不確かなものになっています。
ストーリーの展開は見事で、想像したくないほどリアルな描写が多くあらわれます。
想像力が豊かな人は、このおどろおどろしい雰囲気に飲み込まれてしまうかもしれないので気をつけてください。
『兆』に出てくる「兆」という存在は、後に氏の作品の多くに登場する人物の底辺に流れているものなので、小林泰三氏の作品が好きな人には強くおすすめします。
投稿元:
レビューを見る
これは泰三目当てで買ったけど、他の短編も素敵な作品が多いので読み返し率が高いです。
ま、作者連ではずれは無いのは判るようなものですがねん。
これも愛読書にして長いのでね・・いまだに手放してないし。
投稿元:
レビューを見る
私の好きな作家様の一人、小林泰三様と初めて出会った一冊。
彼の書いた『兆』というお話は鳥肌ものです。
投稿元:
レビューを見る
初読かと思ったら遠い昔に読んでた。
なんとなく覚えてるけど、うわあこれどうなるんだっけと思いながら読むというちょっと不思議な体験。
「生きがい」
ショートショートの見本のような。こういうのは怖さより「うまいね」と感心する読後感。
「ナイトダイビング」
淡々とした作品。オチは想像通り。おもしろい、というかなんか不思議と印象に残っていた話。
「小羊」
ホラーというよりはライトなSF? こういう話けっこう好きです。
私がこの立場だったら、きっと最後は逃げない気がする……。
うーん難しいなあ。
「白い過去」
これたぶん読んだ当時は、すっきりしたラストだと思ってたはずなんだけど。いま読んだら千春に何一つ共感できなくて愕然とした。
いや、あんた何ちょっと被害者面してんだ、と。
自分で選んでそういう人生を歩んで、ちょっと昔を思い出したら旦那が憎くなって、その結末。利用できるだけして嫌になったら捨てるのか。女のいやーな部分を見せられた気がしてまったくすっきりしなかった。
「兆」
出ました小林泰三。相変わらずの小林節です。
安心して読めるきもちわるさ(褒め言葉)。気持ち悪さと、ふとしたはずみににじみ出る可笑しさ。どこまでもついていきたい。
「Gene」
瀬名さんの小説って、あらすじがすごくおもしろそうなのに本文読んで難解な単語が出てきていつも嫌になっちゃう、っていうイメージ。
小説のために知識を使ってるんじゃなくて、知識を披露するツールとして小説を書いているんじゃないかと思ってしまう。
この話はおもしろかった。でも途中のその遺伝子講釈はそこまで必要か?とやっぱり首をひねらざるを得ない。
まあ、あんまり偉そうなことは言えないのですが。
投稿元:
レビューを見る
会社の本棚にあったものを拝借。
個人的には、最初の短編が一番面白くて、先を読んでいくにつれてつまらなくなってしまって、最後の短編はほとんど斜め読み。
投稿元:
レビューを見る
DNA、男と女、あの世とこの世等々、ちょっとおどろおどろしい世界をキーワードにした短編集。今、活躍する作家陣が大集結しているので、読みごたえは十分。新ホラー小説最前線とでもいったところか。
小林泰三(ヤスミと読むんだって。知ってた?)、瀬名秀明(もちろん、DNAモノです(笑))、辺りがお気に入り。新しい作家を開拓してみたい人なんかにも、ちょうどいいんじゃないかな。私も女性陣の3名は、初めて読みました。
投稿元:
レビューを見る
気になっていた作者が集まっていたので手を出してみた。
可もなく不可も無くっていう感じ。最後の瀬名さんの作人は面白かった。
投稿元:
レビューを見る
ミステリー作家6人の短編を集めた贅沢な一冊。それぞれの個性がにじみ出た作品により,一口に恐怖感といっても様々あるのだと感じさせられます。現実なのか狂気なのかわからない不思議な感覚をお楽しみ下さい。
投稿元:
レビューを見る
生きがい (小池真理子) : は?ギャグ?といった感想のみ。★
ナイトダイビング (鈴木光司) : ただ夜の海にもぐっただけ。★
子羊(篠田節子):かなりつまらない部類のSF。短かさにも関わらず前半は苦行だった。★
ここ迄3作品連続で駄作。
続きが不安だ。
白い過去(坂東眞砂子): 平易な文体にも関わらずじわじわと悪寒が伝わって来た。★★★
兆(小林泰三): 読んでいて一番良かったが、残念なことに落ちがいまいち。2行に及ぶ「ひいいい」にはどん引きした。★★
Gene(瀬名秀明):染色体とか遺伝子の説明がくどくて、読むのに疲れを感じた。★
投稿元:
レビューを見る
生きがい (小池真理子) / 初出 野性時代 1994年10月号
ナイトダイビング (鈴木光司) / 初出 野性時代 1990年12月号
子羊 (篠田節子) / 初出 S-Fマガジン 1995年8月号
白い過去 (坂東眞砂子) / 書き下ろし
兆 (小林泰三) / 書き下ろし
Gene (瀬名秀明) / 書き下ろし
参考文献
謝辞、及び作者から読者の皆様へ
解説 (三橋暁)
『絆』 1996.8 カドカワノベルズ刊 文庫化
口絵 GARDEN of EARTHLY DELIGHTS / HIERONYMUS BOSCH PHOTONICA
装幀 田島照久
カバー印刷 旭印刷
印刷 暁印刷
製本 大谷製本
投稿元:
レビューを見る
すごく怖いのかと思ってたら想像と全く違ってた。でも話自体はどれもおもしろいと思った。最後の話は専門的なことが出てきたからちょっと難しかった。
投稿元:
レビューを見る
読解力が落ちたのか?記憶力が落ちたのか10名以上の登場人物が蠢くと何が何だか分からなくなる。オカルトとホラーの違いも判らないし、小説のオチも解らない。
投稿元:
レビューを見る
どれも非常に面白かった。読み応えバツグン
でも禍々しいタイトルや裏の表紙のアオリから想像していたほどおぞましい内容ではなかった。中でも印象に残ったのは「子羊」かな。一つだけ設定がSFファンタジーだったというのもあるけど、完璧な調和をもった世界とその不自然さ、そして外界とのギャップがとても綺麗だった
アイディアが面白かったのはGeneかな
投稿元:
レビューを見る
2014.04.27
豪華な著者のラインナップなのに、正直内容は期待はずれでした。
『生きがい』小池真理子
子供と夫を失ったアパートの大家の女性と、そこに住む青年の話。ねっとりと進み、最後のオチはえ?という感じでギャグ?と思った。これを最初に持ってくるなよ…。小池さんの小説はやはり肌に合わない。
『ナイトダイビンク』鈴木光司
夫婦が夜の海に潜り、妻が海の底で生命の母のようなものを見つける話。これもどこがホラーなのか…。
ただ全体的な描写がとても綺麗で、ダイビングっていいなぁとは思った。
『子羊』篠田節子
この短編集の中で一番好きだったというか唯一まとまっていて楽しめた作品。
『神の子』と呼ばれ他人の生として生きること定められた名もない少女がある1人の青年と出会い、自分の生を生きる事を決心する話。
『白』と『静』を感じさせる美しい世界感で最後の余韻も素晴らしくもっと続きが読みたいと思った。
『白い過去』坂東眞砂子
平凡な人生を歩んでいる主婦にある日突然蘇った過去の思い出。
思いもしなかった過去の恋人と現夫との繋がり。やはり怖いのは幽霊ではなく現実に生きている人ですね。
しかし、奥さん集中力なさすぎ…こういう性格だから現夫の本性にも気づかなかったんだろうな。
『兆』小林泰三
これもギャグ?
最初はミステリ風で進むのに、後々フリーライターのなえ子の描写がおかしくなってくる。オチもよくわからないし、はっきり言って読む価値なし。
『Gene』瀬名秀明
DNAやら染色体やら遺伝子やら専門的な単語が多くて、理系の者でないと読むのが苦痛。ずらずらと難しい単語が並ぶだけで、たいしたオチではない。というか半分くらいしか理解できなかったのでオチも理解できなかったのかもしれない。