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商品説明
【山本七平賞(第7回)】参謀本部作戦課、関東軍作戦課。このエリート集団が己を見失ったとき、悲劇は始まった。司馬遼太郎が描こうとして果たせなかった「ノモンハン事件」が、いま壮大なスケールで蘇る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
半藤 一利
- 略歴
- 〈半藤一利〉1930年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。文芸春秋入社。専務取締役を経て94年に退社。現在は作家活動に専念。著書に「漱石先生ぞな、もし」「原爆が落とされた日」など。
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紙の本
日本外交の失敗の典型
2002/07/21 23:12
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投稿者:yhoshi2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1940年夏、すでに蒙古に程近い位置にまで進出していた関東軍の前線がロシア軍と遭遇、数日間にわたる戦闘の末に大敗北を喫した。いわゆるノモンハン事件である。これは「事件」などというものではなく、れっきとした「戦闘」であり、しかも大局的見通しも、事前の索敵も、さらには兵員・弾薬等の補給確保すらおぼつかない中での、突出的作戦行動であった。大敗北は最初から明らかというお粗末なものであった。にもかかわらず、何故か責任追及もないまま、歴史の闇に葬られてきたのである。ほとんど無駄死が確実な戦場に、「天皇陛下万歳を叫んで」死の突撃にかりだされていった兵士たちの無念。半藤は膨大な資料を駆使して、この作戦の逐一を追い、緻密にしかも大胆な推理も交えて語る。そこに炙り出されたのは、参謀本部作戦課と関東軍作戦課に陣取ったエリート軍人たちのおそるべき愚劣さと、無責任である。そして、当時の政府、特に外務官僚のおそるべき無知と外交技術の拙劣さ。日本のその後の戦争拡大、太平洋戦争への無謀な突入の原型がここにある。そして軍部は敗戦によって解体されたが、はたして外務省はどのような責任を被ったというのか。最近の外務省の迷走に重なり合うような事実があまりにも多い。