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商品説明
古書目録の通信販売で商いをやっている古本屋「月の輪書林」。山と積まれた本の中から新たな価値を見出し、歴史の泡に飲み込まれた人物を発掘していく、そんな古本屋の熱い想いを綴る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
高橋 徹
- 略歴
- 〈高橋徹〉1958年岡山県生まれ。日本大学芸術学部中退。古本屋の店員になり、三年半の修業の後に「月の輪書林」店主となる。
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紙の本
本の海にとっぷりつかる スコブルうれしい状態
2009/04/18 14:43
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ママ、国語で使うから、新解さん、貸して~」
今年の春から中学生となった娘が言う。
新解さん、そう、わが家ではまだ大ブームの三省堂「新明解 国語辞典」。小学生用ではない国語辞典!まぁ、娘も中学生用はこれから探すのだろうけど、それまでの間…というわけだ。
話せば長くなりますが、新しい国語辞典が欲しい…から始まって、「新解さん」との出合いがあり、それから赤瀬川原平さんへ一直線、その途中で原平さんの書いた宮武外骨にまつわる本にたどり着きました。
この本は凄かった!
あの轟くようなショック、大事に大事に読みながら、なんとかこの本の書評を書きたいと思いながら、どうしても書けない。
スコブル困る。
しかし書けない。
何をどう書いて良いのか分からない状態。
スコブル凄い本、なのですよ。
それで、この本を枕元に置いて寝る日々が、はて一ヶ月以上が続きました。
そして、私はついに出合ったのですよ。
『古本屋月の輪書林』を読んでいたときに、出合ったのです。
その名も「東京外骨語大学」。
学長一人、助教授一人、そして生徒が三人…古本屋さん仲間から誕生した「世界で一番小さな大学」。もちろん、大学名は宮武外骨さんの名前をもじっています。
なんでも週一回集う書物をめぐる勉強会が始まりらしいのです。
『今年は宮武外骨の「余は危険人物なり」を読んでいる。分からないこと、知らないことが多すぎて遅々として前に進まないが、至るところ未知の世界というのも、一人だとしんどいが三人だと楽しみになる。」
おお!まさしく、これ!
私の外骨さんへの道もこれで深く踏み込めるのでは…と希望の光が差し込んできたというわけ、なのです。
すぐにでも東京外骨語大学の入学案内を取り寄せねば…と思ったわけなのです。
実は今回読んでいる高橋徹さん著『古本屋月の輪書林』は、この春休みに家族でニューヨークに出かけた折、ブックオフ・ニューヨーク店に立ち寄り、そこの1ドル棚で見つけた一冊、なのです。
とにかく古本関係の本とあらば、棚を見ている目がとまるワタクシ、1ドル棚で、この題名が見えたときはスコブル嬉しかったのは言うまでもありません。
さてさて、古本屋月の輪書林の日々を綴る高橋さんの文章には心惹かれるところがたくさんありました。
特にここはズシリと響きました。
『ぼくの「花」とはなんだろう。今、自分にできること。それは、時代のなかで忘れ去られた人たちを、その痕跡としての文章を伝えることだ。生きていた時代の破片を、その人その人の青春に配置することだと思うなぁ。そして破片が一瞬でもキラッと光るように置くこと。余計な解釈を加えるのではなく、本をして語らしめること。「いのち」がかようよう目録に本を並べることではないだろうか。」
そうそう高橋さんの恋人ミオちゃんが登場するときは、なんだか華やいだ気分になって、私も嬉しく読みました。
高橋さんとミオちゃんが幸田露伴さんの墓参りをするシーンもありました。
読んだばかりの幸田文さんの本がちらと頭をかすめます。
ネットで調べてみると、『古本屋 月の輪書林』の続編も出ているとのこと。続編を読めば、東京外骨語大学のその後も分かるのだな~とそんなことを思いつつニヤニヤ…。
今回は話があちこちと飛んでしまいましたが、月の輪書林さんの本といい、赤瀬川原平さんが書かれた宮武外骨さんの本といい、私の中の本の世界がいろんなところでいろんな本に繋がっている。もうこれは目がくるくる回るくらい嬉しいことで、この本の海にとっぷりつかって、しばらくはこのままね、というスコブルうれしい状態になっております。たいへんな浮かれよう、失礼しました。^^;