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商品説明
脳障害をもちながら8歳になった、流奈くんの小さな愛のおはなし。「ドーマン法」という脳障害に有効なリハビリで驚異的な知能発達を遂げた著者が、一字一字文字盤を指さして綴った“魂の贈り物”。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
わからんちんのコチコチの大人より
2002/04/28 21:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高橋慎吾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
流奈くんは脳障害児。しゃべることも動くこともままならない。その流奈くんが「ドーマン法」というリハビリ手段によって驚異的な回復を見せ、文字盤を一文字一文字指差して綴ったのがこの本だ。
本を書いた時点で8歳だったというが、正直言ってその大人びた文章を本人がほんとうに書いたのかどうか、にわかに信じられなかった。読みすすむうち、そういう自分の疑い深いところがいやになるくらい、純粋な言葉の数々にまいってしまった。「わからんちんのコチコチ大人へ」というふうに本の副題がついているが、まさに自分はコチコチ大人そのものだと気付かされる。
この本はとても魅力があるのだが、自分には十分にその魅力が伝えることができない。実際、手にとって読んでみてください。きっと日常のなかで忘れてしまった大切なことを思い出すことができるはず。
紙の本
ことばの話せない伝えびと
2002/05/24 17:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
TVで11歳の流奈くんを見た。衝撃を受けた人も多いと思う。私もそのひとり。流奈くんをもっと知りたいと思った。本を読んだ。
そのに当時8歳の流奈くんがいた。彼の言葉はとても大人びているけれど、コチコチではない。わからんちんでもない。「体が自由でない分、心が自由になった」と彼は言う。
これはほんと。彼は五体満足な私よりも心が自由だ。そして、あたたかい。
ことばの話せない伝えびと。脳細胞の少ない伝道者のいのちに触れてみませんか?
紙の本
以外にコチコチ大人ばかりではないよ
2002/09/30 10:15
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投稿者:みーちゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
年齢と言葉の使い方にギャップを感じないではいられない。小さな親切、大きなお世話、にも感謝しないとこちらの方が悪人とみなされてしまう。大人になってから障害者なんてものになると痛いほどよく判る。思いこみを少しでも外すのに、この著者の育ってゆく年のメッセージは読んでみたい。
紙の本
8歳児のことば
2002/03/17 20:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
脳障害の8歳児が一字一字文字盤を指差してつづった本。この本を読んで驚かされるのは、8歳児が書いたとはとても思えないような文章だ。少なくとも大学生レベルのボキャブラリを駆使しており、古文調の詩や、仏教的な達観した思想をも語っている。いったいどうして8歳児がこの文章をかけたのか。この日木流奈という子供への興味で僕はこの本を読んだ。
日木流奈は、生まれながらに言葉が話せず這うこともできない。それだけならまだしも、「てんかん」や白内障などを併発して苦痛にさいなまれ、また薬の副作用により意識が朦朧とするなど、通常に考える身体障害者の域を超えている。言葉によっても行動や態度によっても自分の意思を示せないという状況。自分という存在を認識されないという苦痛。この本にはそのような存在の不安や、「私を見て」という心の叫びが綴られている。普通の子供なら経験しないようなこんな試練が、この子を老成させたようだ。それは次の詩によく現れている。「私は花になりたい/蝶が蜜を吸いに来てもだまって吸わせ/人が切りに来てもだまって持って行かせ/静かな気持ちでいきてゆきたい(後略)」
この境地が、彼の境遇の中で彼自身が獲得したものであることは、この本を読めば納得できる。初めの初めから沢山のものをあきらめなければならなかった彼は、彼なりに本当に大切なものが何なのかを身にしみて理解したのだろう。普通はそれは人生の半ばで挫折を経験して獲得するものなのだろうが。
彼がそうできたのには、ご両親の存在が大きかったようだ。生まれたばかりで苦痛にさいなまれていたころ、母に抱かれている間だけ辛くなかった、と彼は言っている。「母の来ない日は、再び私を感じることが出来なくなり、ただ辛く孤独だった」 体が不自由だったために逆に純粋な愛情を注がれたかれは、普通の子供よりある意味で幸せだったし、そのことを知っていた。
日木流奈は、この本で大人のエゴや環境問題、無償の愛についても語っているが、一見「ませた」と思われるこれらの文章も、この本を通してよめば、真実の言葉として響いてくる。
彼がこれからどのような大人になっていくのか。5年後、10年後に書く文章を僕はぜひとも読んで見たいと思った。