「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
著者紹介
松野 大介
- 略歴
- 〈松野大介〉1964年川崎市生まれ。神奈川県立汲沢高校中退。85年タレントデビュー。95年、小説「ジェラシー」で文学界新人賞候補。著書に「ひとり暮らしボーイズの欲望」がある。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
失格者の本
2001/07/23 17:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yfts - この投稿者のレビュー一覧を見る
重かった。私は著者の過去を知っているし、その時代を「テレビっ子」で過ごした。芸能界を去り、小説を書くに当たっての著者の「小説とはそんな安易なものでは無いだろう」という姿勢がとても痛い。自分に厳しく、また世界にも厳しい。
その目で見たものの描写は素晴らしくヘビーで生々しい。これを書かないと次に行けないという、苦しみ躊躇しつつも吐き出したような本だ。落ち込むところまで落ち込んだ人、また今テレビに疑問を感じる人にも読んでいただきたい。
紙の本
「負け惜しみ」に身を窶した「勝ち誇り」
2002/07/17 22:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Mジマンキー - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビという場がお笑い本来の「芸」を不要としている現状。
普段、何気なしにテレビを見ている人たちには何の苦にもならないことです。
現在のお笑いタレントたちはテレビのお笑いを見、売れたくて、「合格」したくて
養成所の門を叩き、素人参加オーディションのためのネタを練ります。
何の疑いもなく、「流れ」のままに。
本書では「流れ」に乗れず、「失格」のらく印を押された著者≒主人公の心情が
非常にシリアスに描かれています。しばしば「暴露本」的な扱われ方をされますが、
彼のこの告白は、決して「暴露」であってはならないと思う。テレビを見る人たち
は、本来、そのくらいの想像力を働かせなければならない。
ただ、作者は、そのような視聴者も含んだ「テレビ」に対する希望などは
捨ててしまったようです、多くの「識者」と同じように。
低俗バラエティが跋扈し、無芸が支えるテレビ界におんぶに抱っこの、
クダラナイ「芸人」は失格になったが、それよりも格上の「作家」に
合格できた、と、作者は誇っているようです、かつての相方に対して
ではないと思いますが。
「“私小説”を書き、発表できる身分」になれた作者に、かつてのファンとして
拍手を送りたいとは思いますが、「芸人」に合格することと「作家」に合格する
ことが全くの別物だとは思いません。ビートたけしは同じような状況からお笑い
の地軸をずらした。たけしほどの才能がないと悟ったからといって、何も変えず、
テレビを後ろ目に見ながら「流れ」に従う作者は本来の意味での「芸人」としても、
「作家」としても「失格」です。