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紙の本
鬼流殺生祭 (講談社ノベルス)
著者 貫井 徳郎 (著)
維新の騒擾未だ収まらぬ帝都東京で、不可解な事件が発生した。雪に囲まれた武家屋敷で青年軍人が刺殺されたのだ。公家の三男坊の九条惟親は、変わり者の友人、朱芳慶尚と共に事件の調...
鬼流殺生祭 (講談社ノベルス)
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商品説明
維新の騒擾未だ収まらぬ帝都東京で、不可解な事件が発生した。雪に囲まれた武家屋敷で青年軍人が刺殺されたのだ。公家の三男坊の九条惟親は、変わり者の友人、朱芳慶尚と共に事件の調査を開始する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
貫井 徳郎
- 略歴
- 〈貫井徳郎〉1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。不動産会社勤務を経て作家に。第4回鮎川哲也賞最終候補作「慟哭」でデビュー。著書に「烙印」「失踪症候群」「天使の屍」など。
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紙の本
真っ向から本格に挑んだ力作
2001/11/30 00:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:本田亮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
デビュー以来、貫井徳郎の卓越した構成力と筆力には目を見張るものがあった。その貫井が真っ向から本格に挑んできたのが本作である。旧家の武家屋敷で起こる連続殺人、雪に残された足跡、交錯する血縁関係と横溝正史的なコードを多用している。
その分、或いはその割にトリックや構成に目新しいところはない。だが、注目すべきはその旧家という閉ざされた世界に、血の結束以上の理由付けをし得た点である。事件全体を貫くその理由は、明詞という時代背景とあいまって絶大な効果をあげている。
そしてさらに注目すべきは、量子力学の不確定性理論を功名かつ完全に取り入れている点だ。名探偵ものの本格が持つジレンマを意識しつつ、それを確かに乗り越えている。そのスタンスと巧さは京極に匹敵する。
著者の本格に対する想いが伝わってくる力作だ。