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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.9
- 出版社: 筑摩書房
- サイズ:20cm/219p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-480-81606-2
紙の本
老人力 1
著者 赤瀬川 原平 (著)
老人力とは物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力である。【「BOOK」データベースの商品解説】物忘れも、繰り言も...
老人力 1
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商品説明
老人力とは物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力である。【「BOOK」データベースの商品解説】
物忘れも、繰り言も、溜め息も、老年域に達してこそ身につく新しい力の一つ。人間も世界ももう少しボケたほうがいい。「ゆとり」や「遊び」をもって、「肩の力を抜いて」生きることの大切さをユーモラスに説く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
赤瀬川 原平
- 略歴
- 〈赤瀬川原平〉1937年神奈川県生まれ。画家、作家。尾辻克彦として「父が消えた」により第84回芥川賞を受賞。ほかの著書に「東京路上探検記」「困った人体」など多数。
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紙の本
誤解していませんか?
2001/02/09 15:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桐矢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
元祖老人力の人、赤瀬川原平のエッセー。
老人力は誤解されやすい。わたしも間違って使っていたかもしれない。
老人力は、マイナスのパワーだ。だが、老人に残された力……というのではない。例えば重い荷物を前にして、「いやあこのくらいの物、まだまだ老人力で頑張りますよ」というような使い方は間違い。単なる力の欠乏を言うのではない。
著者も老人力の定義には手を焼いているようだ。なにしろ、定義する……ということを放棄するのがそもそも老人力なのだから。あえていえば、力の欠乏ではなく、肩の力を抜く、努力しない、ポジティブに忘れる、眠る力(不眠症というものがあるくらいで努力して眠ることはできない)などなど……。
抽象的に言えば、凝り固まった自我を解体していく力……とでも言おうか。そういう意味ではまだまだわたしなど若いのであった(忘れる力は着実に付いてきているが……)。
紙の本
つけたいんだかつけたくないんだか、微妙だぞ老人力
2001/03/11 17:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は老人の忘れやすいことなどマイナスと思われてきたことを能力として見ているのがおもしろい。
たとえば野球で緊張する場面、監督は力を抜いていけ、というだろう。それはつまり老人力をつけろ、ということなのだ、という。
そして老人力をつけるには結婚や育児、離婚などを経験しないとつかないのだから、もっと老人力を大事にしようと言うのである。
年をとって物忘れがひどくなると本人が落ち込むらしいが、そんな老いの不安を吹き飛ばしてくれる一冊。さすが赤瀬川原平、目の付け所が違う。
紙の本
年を重ねるのがますます楽しくなる
2009/03/01 00:14
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに夜の連続ドラマを、それもビデオに撮って見ている。木曜夜10時からの『ありふれた奇跡』。
あのテンポ、あのセリフ、あの夕日、そしてエンヤの曲、
そのどれもが私好みなのだ。
物語は回を増すごとに、いろんな秘密が明らかにされて、
ゆるやかな感じではあるけれど、面白くなっているなぁ~と思う。
で、主人公の祖母役で八千草薫さんが登場していて、それはなんと言うのか、お嬢様が奥様になって、おばあさまになりましたって感じで、なんて可愛らしいのだろうと、つくづく感じ入るのです。
はて、これは老人力の一つのカタチ、なのではないのかな?ふと思いつきました。
はい、赤瀬川原平さんが言われるところの老人力、です。
老人力とは、物忘れ、繰り言、ため息等従来、ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力。そうです、この未知の力には年を重ねれば重ねるほど可愛くなるという項目も入っているのではと思いついたのです。どうかな?どうかな?
この赤い一冊は、読めばたちどころに老人力、その正体が分かるというもの。実に愉快で、何度も笑ってしまう内容が満載、でした。
原平さんはあるとき、財布を忘れてしまった。
そのとき、彼は、お、来たなという感慨があったそうなんです。これはすごいことだ、としみじみ思う。
自分を客観的に見る目、老人力の存在そのものを知っているという強味。
一度ならず二度忘れてしまったときも、
「しかし自分が何だか堂々とした大人物になってきたようで満足している。」とあり、さすが原平さんだ、これはますます尊敬できるぞと嬉しくなった。
老人力には、発祥の会なるものがあって、それは原平さんを中心に活動している路上観察学会。「路上をぶらぶら歩いて、ぶらぶら物件を見つけて、ぶらぶら写真を撮るという、そういうぶらぶら感覚の中から老人力は発祥した。」とある。ぶらぶら感覚、なんともいい感じである。
原平さんはこうも言う。
「人間というのは、燃え上がってこそなにかができるし、なしとげることもできる。路上観察だって、燃え上がってからが、もう面白いんですよ。
で、思いもかけないことができたりもする。
冗談が全部現実になっていくって、あのころはみんなで驚いていた。
路上観察でもあれだけ面白いんだから、もっと大きい目標、たとえばロシア革命なんてやった連中は、さぞ面白かっただろうと思う。」
さすがスケールが大きいというか、なんというか、
冗談が全部現実になっていくなんて、夢のようだが、原平さんが言うのだから本当に決まっている。
老人力の存在に気付いたおかげで、年を重ねるのがますます楽しくなるというものだ。これに気付くと気付かないでは、人生の後半、気持ちの持ちように大きく差があらわれるのは火を見るより明らかだ。
老人力、まさにありふれた奇跡、です。
紙の本
ラブリーおじいちゃん!!
2003/09/14 15:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
飄々とした文章。ところどころで「くすっ」っと笑ってしまう。
野球のチケットをなくすところは、可愛そうだけど、面白かった!
写真の撮影場所の地名が出てこなかったり、人の名前が出てこなかったり、でもそれなりに、会話は成り立っていくし、意思も通じ合っているから、大丈夫(??)
でもお財布を無くすのは、気をつけてね、おじいちゃん!。
路上観察で撮った写真も、いい感じでした。
完璧な人なんていないし、優秀な機械はツマラナイ、心を柔軟に、そして前向きに、明るく生きていこうよって言うメッセージが伝わってきました。