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商品説明
体育の授業で生徒がいなくなった教室に、教師が5人、姿を見せた。彼らの目的は、生徒たちの持ち物を検査すること。生徒のカバンに見つけたものはなんだったのだろう? シリアスなのになぜか笑える物語。上演の手引も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
宮沢 章夫
- 略歴
- 〈宮沢章夫〉1956年静岡県生まれ。多摩美術大学中退。劇作家・演出家。「遊園地再生事業団」を結成し、92年上演した『ヒネミ』で岸田戯曲賞受賞。ほかの著書に「わからなくなってきました」など。
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紙の本
上演への意志=力への意志。
2005/02/16 06:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊藤整は書いている。「本当の近代的芸術は、いずれも戯曲の隆盛から始まる」(『文学入門』)
『14歳の国』は神戸の児童連続殺傷事件に想を得て書かれた戯曲である。巻末には上演への手引きが付されており、宮沢章夫の演劇観を窺い知ることができる。演劇ダンス音楽小説映像…ジャンル融合的な表現者。
鈴木忠志は『演劇とは何か』のなかで、ヨーロッパの演劇様式を「ギリシャ悲劇(人間の発見)」「近代リアリズム劇(内面の発見)」「不条理演劇(日常性の発見)」の三つに区分し、日本の演劇界がヨーロッパの「近代リアリズム劇」を誤ったかたちで移入したことの弊害が今なお残っている、と語る。ことは演劇に限らない。新たな「関係」が生まれようとするとき、新たな「関係」を求めざるを得ない状況にあるとき、時間的/空間的に想像力を駆使しつつ頭のなかに舞台を組み立てること、すぐれた戯曲には、そんな構成力をドライブする力が隠れている。
客電(客席の電気照明)がおちてから芝居が始まるまでの間、観客は自分の手さえ見えない暗闇に包まれてぽつんと取り残されている。たとえば寺山修司没後何年目かの記念公演「青ひげ公の城」(流山児祥)、開幕前の暗闇のちょっと尋常ではない長さ。たぶん実際には三十秒ほどの、無力……ふいに舞台の片隅にひとりの役者がぼんやりした灯りを手に現われ、ぼそりとつぶやく。「オイ、そんなトコでなにシテンダヨ。そんなトコで待ってたっテ、ナンにも起こんナインダヨ……」
>(「上演の手引き」)
『消尽したもの』の訳者あとがきで、宇野邦一は“出会い”について書いていた。
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役者が舞台上のもうひとりの役者にセリフを投げかけることに成功した瞬間→不確かさにおいて不確かさのゆえに起こる奇蹟。
>(ジル・ドゥルーズ『ニーチェ』)