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商品説明
貸金庫に預けられていた、一枚のフロッピーディスク。その奇妙な“物語”を読むうちに、私は彼の「人生」に引き込まれていった。これは本当の話なのだろうか? 時間を超えるラヴ・ストーリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
佐藤 正午
- 略歴
- 〈佐藤正午〉1955年長崎県生まれ。北海道大学国文科中退。小説家。83年「永遠の1/2」ですばる文学賞受賞。他に「個人授業」「王様の結婚」「恋を数えて」他。
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紙の本
「喪失感」を表現する手法としてのミステリ
2002/04/27 10:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
「永遠の1/2」以来すっかり忘れていた作家だったが「ジャンプ」で再会し、その読後感が文庫になった「Y」にも手を伸ばさせた。
巧い作家である。筋運びが巧い。それは筋を転ばせてゆくための道具立てのよさでもある。一貫して「喪失感」がテーマであり、寂寞とした小説ではあるが、それを表現するためにミステリという手法を採っているところが、この作家の独自性であろう。
読んでいるととにかく面白くて、早く先が知りたくてどんどん読み進んでしまうタイプの小説である。
だからこの本を評する場合にあまりストーリーを語るのは適当ではない。あまり事前の情報なく読み始めてもどんどん引き込まれる小説だと思う。読んで損はない。
ちなみに裏表紙に「時間を超えた究極のラブ・ストーリー」とあるが、私はこのキャッチは適切ではないと思う。