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紙の本
凛々しく美しい少年たち
2002/03/15 21:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
十五、六歳の少年たちが城と運命をともにした、戊辰戦争中の悲劇として今に語り継がれている白虎隊士の自刃。その散り際の潔さを賞賛する声がある一方、殿様や藩のために死ぬなどとは封建的すぎる、どうしていいかわからなくなった末の集団ヒステリー、忠義第一の会津藩の教育が間違っていた、などの否定的な文章もよく目にします。
私は白虎隊について詳しいワケでも、専門的に調べているワケでもありませんが、決して集団ヒステリーなどではなく、進退窮まった少年たちが、敵に辱めを受けるよりは、と最後に見せた少年ながら会津藩士として、男としての意地だったのだと思いたいです。実際、『官軍』の名でやってきた薩摩・長州・土佐藩士たちは、会津若松城下で乱暴狼藉を働いているのだから。ま、地元の人間のヒイキと言われたらそれまでですが。
本書での白虎隊士は、とても凛々しく清々しい。自刃という選択が正しかったのか誤りだったのかは別として、命を懸けてまで守るべきモノがあるというのは、ある意味うらやましく感じました。