紙の本
大人向け元祖イソップ
2002/06/04 02:20
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikancat - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもにお話するために購入しましたが、文体が質素でいかにも大人向け。子どもにはとてもできないようなきわどい話も入っていて驚きました。でもこれが元祖なのですね。イソップはもともとは大人向けのお話なのだと実感しました。子どもに読んで聞かせるなら岩波少年文庫のほうがお勧めです。
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一度は読んでみようかと、古本屋で安くなっていたときに入手。
48話目の「(蟻にかまれた)男とヘルメス」の話はなかなか。
数行のお話ばかりなので、他に読んでる本があったりしても暇なときにちょちょっとずつ読める。
一度はお試しあれ。
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意外とえげつないイソップ寓話集。
子供の頃読んだものは一部だけで、本編はかなり長いし「道徳的」というよりむしろ「処世術」が描かれている。
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誰でも一度は読んだ事のある寓話集。動物や虫が登場し、平易な言葉で短く書いてあるが、意味するところは処世術や人間の悪徳であったりしてなかなかブラック。まさしく大人のための哲学だと言える。
同じギリシャの文学でもソクラテス、プラトンらのいうイデアなどとは違って、清貧、分相応といった概念が押し出されているのは、作者であるイソップ自身が奴隷であり奴隷のための道徳としてこの寓話が書かれたから。この概念は東洋の儒教思想ともつながるとも思われる。
高等遊民の著作が目立つギリシャにおける民衆文学ということで、古典的な価値は多いにあるのではないか。
ただ例の意味するところが分からなかったり、意味が分かっても述べるまでもないことがわざわざ述べられていたのが不可解というか不満。
その時代の理解がまだ足りないということか。
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イソップが作った、と言われている寓話を集めたもの。という訳で、実際にはイソップテイスト教訓集、ということになるのだが、これを子供向けの人生訓話に仕立て上げた人はすごいなぁ、という気にさせられる。ことわざと同じで、あっちでは友情の大切さを謳い、こっちでは友情の無意味さを訴え、と分裂しているので、実際にはその時々でみんな都合のいいところを引用したのだろう。
古い時代のものにお約束の下ネタも満載だが、その中でもいきなり「男色家がなぜ恥知らずなのか」を説明した寓話には唖然とした。古代人の感性はわからない……。
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説明不要の寓話集。
アメリカのペリー(提督では無い)
がまとめたラテン語とギリシア語の
うちのギリシア語の部分を収録。
どこかの戦国大名の三本の矢の教えに
そっくりな話が出てきており、
おそらくはこれが元ネタだったのかと思われる。
この本の使い方は道徳や処世術を学ぶためと、
「イソップ寓話集にはこう書かれている
だからあなたもこうすべきだ」と人に言うためと
二通りあると思うが、後者の使い方をすると
デルポイ人に殺されたイソップのように
悲惨な目に遭うことになるんだろうなあ。
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イソップが語ったとされる寓話集。とにかく動物と神様と人間をたとえに出しまくって、戒め的な箴言を語っている。はっとさせられることも多く、今読んでもその内容は全く色あせない。短く簡潔にエピソードを述べているので模範にしたい。251の雲雀「僅かな利益のために虎の尾を踏むような人たちのための話」とかその典型例。
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小学校の時に読んだイソップ寓話
そのイソップがブクログになかったんで
こちらの本にしました ごめんなさい
どれも短い話なのにとても面白いです
大体嫌な奴は罰を受けてるんで笑えます
私が読んだ本には最後にイソップの話(うろ覚え)
が載っててそれがとても大好きです
暇つぶしに読むのがオススメだとおもいます
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「借」(大学の図書館)。
ギリシア・ラテン文学の授業で紹介された本。
イソップ風の寓話がたくさん紹介されている。
今改めて読んでみると、様々な教訓が隠されている。
手元に欲しい一冊。
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まぁ題名の通りイソップ寓話集、とりあえず教訓的というかそういったものの(短篇集の)集まり
上のものには従えみたいな、強いものには逆らうな的な、不向きなことを無理してやるな的な…ものばかり、で自分とは少し違う(必要ない)気もしたけど、一読の価値はある。
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ブックオフ108円コーナーで発見。
ウサギとカメ、田舎の鼠と都会の鼠、キツネとブドウ…
一度はどこかで聞いたことある童話はすでに2000年以上も前から語られていたことだったということに驚く。
イソップ(アイソドス)が実在するかどうかは別として、動物や植物、人間、物の持っている性質を見事に戯画化して必ず最後に教訓としてまとめあげるこの形式は、簡単にできるものではない。イソップはこの教訓と寓話の部分を切り離してはならない。
教訓の例として、操作的定義として扱うあらゆるものが当時の生きた人のまなざしをよく映していて、どこかあてはまるところ、わかりやすさがあるから、現代でも十分生きているのだと思う。喩の使い方が本当に優れている。
だが、訴えかける教訓は、「知恵」や「神」の性質にはそぐわないもので、プラトンがかなり批判した気持ちがよくわかる。知恵が他人を出し抜くものと教えてどうする。
また、描かれる教訓はひとが「どのような」ものであるかばかりで、「どうするか」を描かない。「悪いものは悪い」「善いものは善い」なんて当たり前すぎる。
この物語からは、ことばで語る際の例示・比喩の使い方を知れるが、正しいことは知れない。語っていない。
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500近いストーリーをひたすら読む。
西洋の考え方を楽しく学べる。
教訓もたくさん学べる。おすすめ。
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471の寓話をおさめている。イソップ(アイソポス)は紀元前630年ごろの人で、ソロンやタレスと同時代に生きた遍歴の智慧者であるが、現在残っているイソップの物語は、イソップが書いたものとそうでないものとを分類することはむずかしいとのこと。
この本は第十一部まである。第一部は1世紀の『イソップ集成』に遡り、第二部は15世紀の本、第四部はイタリアにいたギリシア語作家の本だそうだ。第五部は前100から後200年までの説話、『アヒカル物語』の借用もある。第九部はピザンツ期の四行詩などもひかれている。こういう雑多なよせあつめが「イソップ物語」なのであるが、古典だから当然だろう。
1530年にはルターがドイツ語に翻訳し、文禄・慶長(1592〜1614)には日本にも伝わっている。
内容は、「北風と太陽」「酸っぱい葡萄」「オオカミ少年」など、有名な話がある。「農夫の息子」(53)は毛利元就の「三本の矢」の話に似ているが、漢文にも同様の話しがあるとのこと、また、「木樵とヘルメス」(173)は、「金の斧と銀の斧」の話しである。こういったものも、イソップにあるのだなと思った。また、白鳥の歌(swan song)などは、現代でも、「最後の作品」という意味で使われるが、こうした諺もイソップに載っている。
アリやワシを「むかしは人間であった」とする記述があるが、こういうのはアニミズムの特徴であろう。
話についている教訓も興味深いが、現代生活で応用できるというものではなく、そもそもそんなことを考えていないのだし、作者たちに現代の目でみて正しいことをいう義務もないだろう。古典というのは、そういうものだと読めばいいのだろう。
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「北風と太陽」など知っている話があるのに、しっかり読んだのは今回が初めて。続けてイソップ寓話集を2冊読んでみるたところ、物語の並び方が違う本を読んだおかげか記憶に残りやすかった。神々の名前の注釈を読むたびにソクラテスやプラトンにも手を広げたくなる。
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全471話を収録し、出典として参照される版を基準に十一部に分かれている。第一部が全体の半数近くを占める。各話、最短一行から長くて4ページ程度まで。動物を擬人化したものが大半で、次いでギリシャ神話の神々の登場回も多い。
実在も疑われるイソップは、解説によれば紀元前610~600年ごろの生まれと推測され、ギリシャのみにとどまらずバビロニアやエジプトにまで遍歴して寓話を語り伝えたとか。プラトンの時代において、すでに寓話作家の代名詞となっていたらしい。どの作品がイソップによるものか、正確には不明とされる。
道徳的教訓を伝えることを基調としており、話の前後に直接的に教訓が添えられるものも多い。なかでも何度となく繰り返し強調されるのが、「身のほどを弁えよ」「生まれもった性質は変えられない」といった教えである。その派生として、強欲による失敗、悪性は直らないこと、身の丈に合わない仕事や行為の否定といった戒めが多く、目を引く。そんななか、ときおり見られる「自由は富にはかえがたいこと(346.狼と肥えた犬)」や、「弱い(小さい)ことがメリットになりうる(282.漁師と魚)」といったメッセージを発する寓話が印象に残った。
救いのない結末や、殺人、獣姦や近親相姦といったきわどい性的な行為を扱うケースも含む。成り立ちからして当然だが、必ずしも現代における、いわゆる子ども向けの内容ではない。また、各話に添えられた教訓とは異なる教えが読み取れることも少なくなかった。
以下参考までに、一部の有名なものや、出典が異なる寓話や故事などに類似するものを挙げる。
「15.狐と葡萄」(→すっぱいブドウ)
「46.北風と太陽」
「53.兄弟喧嘩する農夫の息子」(→毛利元就「三本の矢」)
「112.蟻とセンチコガネ」(→アリとキリギリス)
「147.ライオンと熊」(→漁夫の利)
「148.ライオンと兎」(→二兎追うものは一兎も得ず)
「226.亀と兎」
「373.蝉と蟻」(→アリとキリギリス)