紙の本
男生き方
2004/07/27 00:44
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤタガラス - この投稿者のレビュー一覧を見る
下手なくせに好きなカラオケであるが、中でも「わが人生に悔いなし」はよく歌う。この歌は二度目の大手術から奇跡の生還をして、裕次郎が人生の歌を歌いたいと言って創られたものだそうだが、夫人などは、御詠歌みたいな代物といって発表を反対したとのことである。創ったなかにし礼氏は、人生の歌を歌いたいと聞いた瞬間に、死の匂いをかいだというのであるが、この頃裕次郎は一種の悟りの境地に入っていたのであろうか。私の記憶であるが、手術後、命の尊さを感じ入り大宰府メモリアルパークを作ったという事実があったと思う。
三途の河原をジープで渡ろうとしたが渡れなかったという、臨死体験の述懐や手術時の周囲の不思議な出来事など、人生というものには科学的なことだけではない何かがあるものだと考えさせられる。
裕次郎が倒れた後についていろんなことが書かれているが、これはすごいなという物語があって、渡哲也は、裕次郎の手術後、裕次郎が回復しないときは、自分の命と引き換えで命を預かるという決意を持ち、周辺に漏らしていたという事実が書かれている。そんなことがあれば違法ではあるが、渡と裕次郎は運命的ともいえる絆で結ばれていたというのであり、裕次郎の意を十分汲んでいることなのであろうから、そうであれば周囲の人間が軽々しく違法だとか言えるようなものではないのであろう。渡という人間が周囲にいるということは、裕次郎が魅力的な人間であった証左でもあり、自分には「あんたのためなら死ねる」という人物は、はっきり言って皆無である。
今の世の中、いわゆる益荒男不在、政治家、学者、官僚、裁判官等々、世のリーダーに求められるものは、男としての男の生き方ではないのかと思った。かくいう自分は、たいしたこともないのであるが、せめて死ぬときはじたばたしないで、男らしく死にたいものである。
紙の本
だれよりも強い兄弟愛で結ばれていたのを、私は知らなかった
2007/11/28 06:31
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
石原慎太郎と石原裕次郎の兄弟がこれほどまでに、兄弟愛に結ばれた形できているということは、全く想像もしていなかった。
それぞれが個性的であり、大変魅力的な存在であるが故に、またとても強く見える二人であったために、人一倍の「兄弟愛」があってもそれを感じさせずにいたのかもしれない。兄弟のいない自分には、兄弟愛というものに触れる機会がなかっただけに、とても羨ましく感じた。
石原慎太郎は、弟の演技に、今は薄れてきている父親像、父親の尊厳を見ていた。当時の「太陽にほえろ」や「西武警察」など、納得できる観点である。ただあの時代に、もはや父親の尊厳というものが薄れてきていたのか!というのは少しショックである。今の時代、これらのドラマは大衆に受け入れられるのだろうか。少し興味がある。
兄として弟の最後を看取りたいとの思いで看病した兄の思いはなんだったんだろう。身近な人の臨終の時は誰にでも訪れる。自分の親、(妻)、友人に対し、自分はどの様な接点をもつのであろう。本書を読み、離れて暮らす母を感じたりもした。
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昭和のヒーロー、石原裕次郎と、その兄、慎太郎の物語。石原慎太郎都知事が少年時代から闘病生活のときがどんなであったか、まで独白しています。
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大学関連でごたごたがあったのでアレですが、小説家としての石原慎太郎は結構好きです。裕次郎さんの作品を観たことはなくても、彼のカリスマ性とその生き方を身内視点という不思議な側面から垣間見ることができます。
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さくさく読める。兄弟。青春。海。
という印象だったけど、あれ、違ったかな(他の方のレビューを見て)
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21世紀初頭、テレビで、石原慎太郎、渡哲也、北野武の三人が、語り合いをしていた頃、近所の交差点からヒッピーが今から遊びに来て良いかと電話して番組自体をみれなかったので、購入。
目が見えなくなっているので、Kindleで読んでみたい一冊です。
追加
★kindle storeで検索したら、早速みつけたので読んでみます。
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65
俳優、石原裕太郎の人間を最も近い場所から最も長く見守り、ともにしてきた兄、慎太郎が綴る、弟の真実の姿。
昭和の人気スターの人間臭い一面が露わになるのも、何のフィルターも介さずとも、阿吽の呼吸が可能な兄弟ならではか。
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私にとって石原裕次郎は「太陽にほえろ」の「ボス」という印象が圧倒的に強く、昭和の大スターであったことがなんとなくわかったのはずいぶん後だった。本書ではその大スターの兄だからこそ知りえる弟裕次郎の幼少期から、その死までのエピソードと著者自身の心情がたっぷり記されている。ちょっとオカルティックな話もあり、石原慎太郎、裕次郎兄弟もそのような体験をしていたところは特に興味深かった。本来裕次郎のファンは現在60~70代くらいの人が多いのだろうけど、その下の「太陽にほえろ」や「西部警察」世代の人たちにとっても十分楽しめる本だと思う。あと、人の好みが多様化、細分化した現代においては、老若男女が熱中するようなスーパースターはもう、出ないんじゃないかとも感じた。
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兄の手ではじめて明かされた石原裕次郎の全貌。―人生をタッグマッチで生きた2人きりの兄弟。死にゆく者と、生き残る者の無言の交錯。かけがえのない弟の知られざる生涯を、死の瞬間まで凝視し、生と死の根源を問う25年ぶりの書き下ろし長編小説。小樽、湘南の少年時代。海との結合。父の死と経済的逼迫。放蕩の季節を経て、一躍映画界の大スターへ。そして北原三枝との結婚と独立プロの設立。栄光と比例するように襲いかかる病魔との闘いの日々。たった1人の弟の光と影を秘められたエピソードで描きつつ、自らの来し方を振り返る石原文学、最初で最後の私小説。
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石原裕次郎さんと言えば、父母世代の有名人で、私にとっては、太陽に吠えろのボスや西部警察で偉そうな顔しているおじさんであった。一方の作者の石原慎太郎さんは、国会議員から東京都知事になって言いたい放題の人と言うイメージであった。
この作品を読んで、この兄弟の歩んだ道について知ることができた。すごく恵まれた家に生まれ、如何にも金持ちの長男と次男が進みそうな、まるで小説のような人生だと。しかしそれが現実に起こったこと、本当の兄弟の人生とは、なかなか信じがたいほどの人生だと感じた。
小学生の頃に太陽に吠えろごっこなどしていた私も、今では裕次郎さんが亡くなられた歳を過ぎている。今回、慎太郎さんの初期の頃の作品を読んでみたい気になった。
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石原裕次郎の一生を兄の目線から綴った一冊。
昭和の男らしい、豪快な人生が好きなら楽しめると思う。その時代の映画見てるみたいだった。
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生き方、死に方を考えさせられた。
優等生な兄と、自由奔放の弟。だけど、石原裕次郎は子どもが授からなかったし、病気や怪我も多かった。どちらが良いという訳では無いが、どんな人生にも良し悪しがあるもの。
しかしこの兄弟は、事あるごとにお互い相談したり仲の良さも伝わった。大人になってからも、一緒にお酒を飲んだり会ったり出来るのは良いと思った。
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病に犯され死んでいった弟石原裕次郎を
兄石原慎太郎が書き上げた私小説。
読んでいるだけで、涙が出てくる。
慎太郎さんは
どんな想いで書き上げたのだろうか。
夏真っ盛りのこの時期に読みたくなった。今更ながら、ミリオンセラーを記録した
素晴らしい作品。
読み終わってしまうと、裕次郎さんは死んでしまうのかと思うと、敢えてゆっくり読みたくなる。
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2022年2月1日石原慎太郎の逝去の報を聞き、同書を手に取る。裕次郎と慎太郎氏の父の思い出から幼少時代に始まり、裕次郎氏の臨終までの同書の章「血族」に最も記されている濃密な兄弟の交わりに心が震えました。恩寵によりその時代の先駆けを勤めた二人。俳優、歌手としての裕次郎氏、作家.政治家としての慎太郎氏。いずれの二人も父親の追慕の念を持ち続け、マッチョと呼ぶにふさわしい兄弟。二人の華々しい成功や濃密な青春に我が身を比べ、憧れや後悔を覚えるも、お互いを無二の存在として感じ合う男の姿に同書の重みを感じました。とても友達には成れない二人の灰汁の強さですが、魅力的な男達と思わせる色々な強さを持った男達。同書にも記されている様に今は少ない?家父長的な男達の物語り。ご冥福を祈ります。
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父が石原裕次郎さん好んでいた理由がわかった気がする。自分は世代ではなく知らなかったけど、ほんと破天荒な人。慎太郎さんも。色々なことを思い出した。