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紙の本
歴史好きのビジネスマンには格好の決断の指南書。信長,秀吉など英傑20人に学ぶ。失敗例も分析
2000/07/10 09:16
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投稿者:小山 博之 - この投稿者のレビュー一覧を見る
企業経営で最も大切なのは人である。特に,難局に直面した時のリーダーの先見性,判断力,勇気が企業の浮沈を決める。それは,経営史をひもとけば明らかである。成功の事例もあれば,反面教師となる失敗のケースもまた多い。
本書はリーダーの意思決定のケース・スタディーだが,その材料をすべて歴史上の英傑にとっている。登場人物は戦国時代から幕末の将軍まで全部で20人。それらを,選択肢が他にない「絶体絶命における決断」,いずれの方法を選ぶかが問われる「二者択一における決断」,八方ふさがりの中で生き抜く意志が試される「正念場における決断」の3つ分け,決断のポイントを解説している。
桶狭間の合戦で今川義元を破った織田信長。兵力は4万対3000と劣勢だった。篭城しても持ちこたえられそうにないし,平野に打って出れば壊滅するのは明らか。そこへ今川軍が桶狭間に向かっているとの情報。狭い狭間なら大軍といえども細長い隊列とならざるをえない。信長はこの機を逃さずに一気に攻めて九死に一生を得る。難局打開の勇気と情報を重視した素早い動き。現代の企業経営にも適用する教訓を読み取ることができる。
その他,味方が敵に包囲されて退却を余儀なくされたとき,最後尾にとどまり敵の追撃を食い止める危険な役を自ら買って出て組織内の信頼を得た秀吉,藩という組織存続のためあえて肉親の情を捨てて,敵将にとらえられた父を,撃てとの父の指示があったとはいえ,敵将もろとも撃った伊達政宗など。成功事例だけでなく,失敗例も分析している。明智光秀が信長を討ったものの諸将を味方にできず,「三日天下」に終わったのは「事後の展望を伴わない暴走」だと断じている。
(C) ブックレビュー社 2000