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騎士とテロリスト (パレット文庫)
パレット文庫 騎士とテロリスト
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紙の本
雷が聞こえないか
2002/07/09 14:55
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投稿者:あお - この投稿者のレビュー一覧を見る
たけうち先生の騎士(ナイト)シリーズ第3作。瑛に誘われ、チェスの勉強のためにアメリカに留学した将人。でも渡米当日に、瑛は3ヶ月ボストンヘ異動することになってしまった。将人の行くカリフォルニアと瑛の異動先のボストンは飛行機で5時間はかかる距離。瑛は日曜の朝早く、将人に会いにボストンからカリフォルニアに戻り、その夜またボストンへ出るからと、将人に言ってくれた。離れていることの不安、瑛に会いたい気持ちからボストンへ向かおうとした将人だけど、瑛の元恋人ロバートに会い、ボストンじゃなくティンに誘われたテレビ局へ行くことに。しかしそこに、銃を持った2人組が乱入、将人はロバートの赤ちゃんとともに人質にされてしまい…。
前作『 騎士(ナイト)とサクリファイス』のウォークラリーで死にそうな目に会った将人が、またも受難。今度は放送ジャックに遭遇し、なんと瑛の元恋人のロバートの赤ちゃんともども人質にされてしまいます。シリーズ1作目でもそうでしたが、本書でもまたアメリカの銃の所持について考えさせられました。そうしたことにまで目を向けさせる力がある作品です。チェスでの言葉遊びのエピソードが良かった。単なる甘い思い出に終わらず、これが事件解決に貢献してるのもさすが。
このシリーズ、ひそかな楽しみが、やっぱりタイトル。今まで「騎士と」のあとはチェス関係の言葉で、それが話と符合していました。でも今回は「テロリスト」。さすがにこれはチェスとは関係なさそう。もしかしてタイトルが意味深なのはもう終わり? なんてちゃっとガッカリしていたら、読んでみてワォ! 違うかもしれませんが、わたしが感じたところでは、今回は、もしかして…「騎士(ナイト)」でビンゴ!? しかも、その騎士(ナイト)は、彼、なんですね〜。う〜ん、ウマイ!! たけうち先生に一本取られた…って感じです。瑛が口にする「雷が聞こえないか」も、効いてました。いきなりの瑛のセリフに、読んでるこっちも言われた将人と一緒で一体何を言ってるんだと不思議でした。でも、読んでみたら、ああ! なるほど!!って大納得。そう言う会話や、話の運びに作者のセンスと力量を感じました。
今回は、とんだ事件もあったけど、そのおかげで将人が悟ってくれちゃって、瑛にも読者にも嬉しい展開でした。素直になれない将人もかわいいけど、素直な将人はもっとカワイイ! 瑛じゃないけど、メロメロになりそうなくらい。今まで危ういところが感じれられた将人と瑛の恋だけど、やっと大きく前進しました。ずっと気になってた、将人が言うところの「ボブと暮らしてたときも僕を好きだった?」「瑛は同時に二人を愛したの?」この疑問も、瑛の口から答えが聞けます。