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- カテゴリ:小学生
- 発行年月:1999.8
- 出版社: ポプラ社
- サイズ:25×26cm/40p
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-591-06149-3
紙の本
北緯36度線 えほん
著者 小林 豊 (作・絵)
トウキョウ、キョンジュ、シーアン、パミール、パグマン、ヘラート、アナトリア…。東京から地球をまっすぐ西へ。ぼくたちは大きな鳥にみちびかれ、北緯36度線上にくらすひとびとに...
北緯36度線 えほん
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商品説明
トウキョウ、キョンジュ、シーアン、パミール、パグマン、ヘラート、アナトリア…。東京から地球をまっすぐ西へ。ぼくたちは大きな鳥にみちびかれ、北緯36度線上にくらすひとびとに会う旅にでる。ふたりと一ぴきの幻想の旅。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小林 豊
- 略歴
- 〈小林豊〉1946年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。画家。79年日展初出品で入選。83年上野の森美術館特別優秀賞受賞。作品に「わたしの船長さん」「はるふぶき」「ぼくのチョパンドス」ほか。
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紙の本
鳥になって旅をする。いろんなものが見えてくる。
2004/01/11 06:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆきな - この投稿者のレビュー一覧を見る
「鳥になって空をとんでみたい」
誰でも一度くらいは そんなことを思うだろう。
その夢は、この絵本をひらけば かなえることができる。
『せかいいちうつくしいぼくの村』のパグマンの村へも 行くことができる。
夕暮れになったら、さぁ西へ出発しよう。
作品のなかでは、一羽の鳥が道案内をし、ふたりの少年と一匹の犬が
旅をする。読者がこどもならば、少年となり、さまざまな土地を歩くことが
できるだろう。私は鳥になり、旅をする。そして気づく。
なんて人間は、低くせまい視野の中にいるのだろう。
こんなにも 世界は広がっているのだ。
すこしずつ 世界はつながっているのだ。
ゆっくりとページをめくりながら、あらためて感じる。
ただ国名が記入されただけの 味気ない地図からは得ることができない
それぞれの国への 親近感と発見がある。
もっと知りたいとさえ思う(コレって、とても大切な感情だ)。
北緯36度線という たった一本の線上には
海があり 山脈があり 草原があり 砂漠がある。
昼があり 夜がある。
晴れたり 曇ったり 風も吹く。
働くひと 遊ぶひと 出かけるひと 帰るひと。
人々が住む場所は、美しい風景や豊かな土地ばかりではない。
描かれてはいないが、醜いものや汚れたものも
鳥はぜんぶ目にするだろう。 どんな気持ちだろうか?
描かれている鳥は、たぶんヨーロッパコウノトリがモデルだと思う。
ヨーロッパコウノトリは、ヨーロッパから中近東で繁殖し、冬にアフリカ
へと渡る。農耕地などにも住み、民家の屋根に巣を作ったりして、
身近にいる鳥だったそうだ。熱心に子育てをするコウノトリの姿は、
平和の象徴であり、人々は昔から この鳥を大切にしてきたという。
でも残念なことに、ここ数年で激減しているらしい。
人間は 人間の手で いろいろな平和をこわしていく。
一方で鳥たちは、当り前のように はるか頭上を自由に行き交う。
人間が地面に引いた線など、なんの意味もない。
この作品は、ふしぎだ。
ながめればながめるほど、自分の中の感情があふれてくる。
自然と 動物と 人間と
まるい地球の平和を 願わずにはいられない。
紙の本
世界をありのままに見る大きな鳥の眼
2003/07/02 23:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:碧岡烏兎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ時間に、世界のいろいろな場所では人々が異なる時間を過ごしているという主題は、谷川俊太郎の詩「朝のリレー」から、FMラジオ番組「ジェットストリーム」のオープニング、それからインスタント・コーヒーの宣伝でも見たことがあるから、けっして新しい発想ではない。ただし、この作品では、各地を別々に写し取るのではなく、緯度に沿って飛んでいく鳥に託して、東西の交流を描いている点が新しい。その交流は必ずしも平和的でないことまで、さりげなく織り込まれている。
「きっと 大きな鳥は しっているのだ。/にんげんが、じめんに線をひき、 その線をなんども ひきなおすことを。」
世界のあり方を、広告のようにばら色でもなく、ルポルタージュのように灰色でもなく、太陽の光があたるそのままに描こうとしている。それは絵本としては、ほとんど成功している。あとは、受け止める方が、そんな実感で世界を見直すことができるかどうか、にかかっている。
烏兎の庭