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- カテゴリ:一般
- 発売日:1999/10/05
- 出版社: 岩波書店
- サイズ:19cm/305p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-00-026461-3
紙の本
ゲド戦記 1 影との戦い (物語コレクション)
【日本翻訳文化賞(第41回)】【ボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門(1969年度)】多くの島からなる世界アースシー。血気にはやる高慢な魔法使いの少年・ゲ...
ゲド戦記 1 影との戦い (物語コレクション)
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商品説明
【日本翻訳文化賞(第41回)】【ボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門(1969年度)】多くの島からなる世界アースシー。血気にはやる高慢な魔法使いの少年・ゲドは、魔法の修行中、あやまって死の影を呼び出してしまい、厳しい試練に立ち向かっていくことになる。再刊。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ル=グウィン
- 略歴
- 〈ル=グウィン〉1929年米国生まれ。ラドクリフ大学・コロンビア大学卒業。SF作家、ファンタジー作家。著書に「闇の左手」「世界の合言葉は森」「空飛び猫」など。
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紙の本
ただのファンタジーというにはあまりにも・・・深い!
2008/02/28 22:03
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピノ - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界3大ファンタジーとも呼ばれるほど、大御所のこの作品。
この本を、ただのファンタジー、児童文学とかそんな風に言ってしまうのはとってもおこがましいと感じます。
不思議な世界が用意されていて、魔法使いが出てきて冒険して、ドラゴンが出てきて・・・
必要なものはみんなそろっていて、本当に申し分ないファンタジー。
それなのに、登場人物が、セリフが、すべてが深い。
主人公のゲドは、素直でいつでも清く正しく・・・そんな理想像とはかけはなれた傲慢で自尊心が高く、それがゆえに最大の過ちを犯して他人を巻き込んでしまうような、とても正統派ヒーローとはいえない存在。
でも、だからこそ彼の行動に、失敗に、時には暗いとすら思える「想い」に等身大の「人間」をみることができるのです。そして、彼を支える師匠であるオジオンやカラスノエンドウの温かさに共感することできるのです。
影とは何なのか、本当の自分になるために何が必要なのか。
読んでいくと同時に、自分がまるで登場人物に諭されているような気にさえなってくる、そんな人間の深い真理を描いた物語だと感じました。
紙の本
多島海、アースシーへようこそ
2001/02/09 15:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:桐矢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしがもっとも影響を受けたファンタジー。
異世界、魔法、剣、竜、大賢人、冒険……ファンタジーの定番が織り込まれ、古典とさえ言えるこの作品が今も繰り返し読まれるのはなぜだろう。
「ゲド戦記1」は、大賢人にして竜王となった大魔法使いゲドの若かりし頃の物語である。主人公であるゲドは、傲慢で上昇志向が強く短気で、はっきりいって身近にいたら、普通あまりお友達になりたいようなタイプではない。そしてその傲慢が若いゲドを苦しめる事になる。禁じられていた魔法学校の生徒とのわざ比べで死霊を解き放ってしまうのだ。魔法使いとして独立した後も死霊の影はゲドの後をどこまでも追ってくる。
一方、ゲドのただ一人の本当の友人、カラスノエンドウは正直でさっぱりしていて親切で本当にいいやつだ。カラスノエンドウも魔法使いとしてかなりの腕を持っているが、歴史に残る大賢人になるのはゲドの方だ。
偉大な魔法使いは光も闇も自らのうちに持っている。光が強ければその分だけ闇が濃くなる。傲慢で上昇志向が強いゲドは同時に、強大な意志の力を持ち、飽くなき好奇心に胸を躍らせ、真理への困難な道を進む事をためらわない希有な若者でもある。
いくら美しく楽しく光を描いても光が落とす影まで描かなければそれはただの絵空事でしかない。この物語が人を引き付けるのはその影の深さゆえかもしれない。
もちろん前提として、異世界をこれだけリアルに緻密に描き出せる筆力があってこそであることは言うまでもない。
「ことばは沈黙に、光は闇に、生は死の中にこそあるものなれ」
紙の本
今読んでも充分面白い
2002/04/08 21:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の中にある醜さや弱さ。それを否定するのではなく、ありのままに受けとめること。そういったテーマを持ちながらも、純粋にファンタジーとしても楽しめる作品。太古からモノには全て真の名前があり、それを知ることが魔法を使う足がかかりとなり、魔法を乱用することは宇宙の調和を乱すことになるなど、独特の設定が面白い。
主人公のゲドも単なる良い子ではなく、物語の途中で自らの愚かさから招いた影に追われることとなるが、その過程もスリリング。沈黙のオジオンやさっぱりした人柄のカラスノエンドウなど脇役も魅力的だ。古い作品だが、今読んでも充分面白い。
紙の本
深くて面白い
2002/02/02 13:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みりぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までファンタジーと呼ばれる小説は読んだことが無かった。こんなに面白いなら、もっと若い頃から読んでおけばよかったと後悔させてくれた一冊。
ゲドは才能のある魔法使いだが、ねたみやおごりの心に負け、いってはいけない魔法を使い、死の国から影を出してしまう。初めは影から逃げることばかりを考えていたゲドだが、師匠であるオジオンから助言を受け、影を追いかけ、戦うことを決意する。
影が何者か分からないことや、ゲドが影を追いかけ始めると影の力が弱まっていくなど、とても深くて、ユングの言う無意識の世界にも通じる。ファンタジーファンだけでなく、心理学に興味のある人にもおすすめです。
紙の本
自分というものを容赦なく見つめる
2001/12/28 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
冒険ものがあまり好きではない私としては、地図すら載っているような、こういう本はどうもよみづらい。
でもこの本は奥が深いと思う。いい部分と悪い部分をもつ「自分」というもの、それを結局は両方受け入れなくてはいけない、というところに共感した。道徳の本なんかでは、悪いところをなくそう、嫉妬や憎しみ、をなくそう、といいがちだが、ほんとうになくせるわけがない。
そんなきれい事よりも、この本はいう。「すべてをひっくるめて自分自身の本当の姿をしるものは、自分以外のどんな力にも利用されたり、支配されることはない」。自分とは何か、を考え出したらぜひ読んでみてほしい。