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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1999.11
- 出版社: あすなろ書房
- サイズ:20cm/191p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7515-1809-7
紙の本
聖なる夜に
著者 キャサリン・パターソン (著),ゆあさ ふみえ (訳)
ティーンエイジャーにも、孤独な初老女性にも、夜警にも、ガールスカウト隊員にも、すべての人のもとに平等に訪れる特別な日クリスマス。はなやかなパーティからとりのこされた人々の...
聖なる夜に
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:23,870円(217pt)
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商品説明
ティーンエイジャーにも、孤独な初老女性にも、夜警にも、ガールスカウト隊員にも、すべての人のもとに平等に訪れる特別な日クリスマス。はなやかなパーティからとりのこされた人々の、それぞれのクリスマスを描いた短編集。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
空き部屋なし | 3-22 | |
---|---|---|
スター・レディ | 23-50 | |
主のしもべ | 51-72 |
著者紹介
キャサリン・パターソン
- 略歴
- 〈パターソン〉1932年中国生まれ。57年より4年間日本に滞在。児童文学作家。著書に「もうひとつの家族」「かぼちゃ畑の女王さま」「北極星を目ざして」など。
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紙の本
国際アンデルセン賞や二度のニューベリー賞に輝く実力派の児童文学作家による、いろいろな境遇の人物にとってのクリスマスを描いた短篇集。
2001/11/16 11:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家キャサリン・パターソンの夫君は牧師だということだ。クリスマス・イヴに、信者たちに読み聞かせるために書きためたお話が本としてまとめられたらしい。彼女の父も宣教師で、布教のためにわたった中国で生まれ育てられた。20代の後半は、日本にも4年滞在している。
生粋のクリスチャンが書いたものだし、信者向けのものであるから説教臭さが気になるところであったが、読んでみるとあまりそういう感じはない。人間の抱く感情があざとく捉えられていて、それがユーモアを含めて表現されている。どのお話にも通底しているのが<愛>であること、虚飾や見栄を取り払った本質に近づいていく姿が求められていることが、あえて言えば宗教色と言えるのだろう。
8篇が収められているが、訳者によりあらかじめ日本にはなじみ薄そうなテーマや背景のものはカットされているということで、あるいはその節に、宗教的な問いを含むものも省かれたのかもしれない。
家業のB&Bを休みにして、ひとり留守番しながら気ままに過すことが可能になった18歳の若者のクリスマス休暇。旅に出る両親を車で見送った帰り、食事に立ち寄った店では、元気者の女主人グレイシィがアルメニア難民のことを案じている。家に帰ると、グレイシィの店で無愛想だった見慣れない男が、休業の看板にもかかわらず泊めてほしいと押しかけてくる。「お金がないのでガレージでもいい、アルメニア人だと思って…」というセリフにむっとするが、凍死されても困るとガレージを空けてやる。ところが、男ひとりと思いきや、男の子、女の子、赤ん坊を抱いた女性…と続けてノックがあり、トイレを貸してくれだのお湯がほしいだのと言ってくる。ええい、追い出してやれと思ったところで、ある言葉が浮かんでくる…。これはひとつめの話「空き部屋なし」のあらすじ。
地域の生活困窮者に善き行いをすれば、日曜学校で星のシールをもらえるからと訪ねてきた少年と、そう不自由なく孤高の暮らしを楽しんでいる老女の交流。牧師の娘であるがゆえに、日曜学校でのクリスマス劇でいつもいい役につかせてもらえない少女の葛藤。娘たちに素敵なプレゼントを買う経済的余裕がないデパートの夜警が、イブの夜、裏口で男の子の捨て子を発見する。警察に通報せず、貧しい家族にプレゼントとしてその子を連れて帰る話。
訳者あとがきにも書かれているが、世界のあちこちで布教の体験を経た作者は、宗教にできることとできないことを見極めたにちがいない。宗教における個人を相対化して、改めてささやかな家族や友人関係の意味の大きさを体感したのだろうと思う。そんな思いが感じとれる、さりげない短篇ばかりである。