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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.6
- 出版社: 原書房
- サイズ:20cm/139p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-562-03314-2
紙の本
そしてぼくはママの愛人になった
12歳の誕生日、ママがパパを殺した。その日から僕とママの暗い蜜月がはじまった…。涙を流すことができない少年と、美しくも哀しい女の歪んだ愛がすべてを壊してゆく。狂おしく、堕...
そしてぼくはママの愛人になった
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商品説明
12歳の誕生日、ママがパパを殺した。その日から僕とママの暗い蜜月がはじまった…。涙を流すことができない少年と、美しくも哀しい女の歪んだ愛がすべてを壊してゆく。狂おしく、堕ちてゆく愛の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ファビエンヌ・ベルトー
- 略歴
- 〈ベルトー〉フランスの女流作家。女優、脚本家、映画監督でもある。
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紙の本
この小説、いま風というか、相当怖いぞっとしながらもあり得るなとも思う
2000/08/23 00:15
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投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
原書房が、仏の新進作家翻訳シリーズ「現代フランス小説」を刊行し始め、これまでにヴィルジニ・デパント/稲松三千野訳『バカなヤツらは皆殺し』、エマニュエル・ベルナイム/同訳『不器用な愛』、フェビエンヌ・ベルトー/同訳『そしてぼくはママの愛人になった』の3冊を刊行した。『バカな…』はまだ途中だが、他の2冊は読んだ。デパントの『バカ…』(95年)は処女作。ベルナイムは56年(原書房の略歴では55年)、パリ生まれシナリオ・ライター、『飛び出しナイフ』(85年)でデビューし、他に『彼の奥さん』(93年。メディシス賞。邦訳は河出書房新社)、『金曜の夜』などがある。ベルトーは女優、脚本家、映画監督で、『Cafards 』(94年)がデビュー作である。ここではフェビアン・ベルトー『そしてぼくはママの愛人になった』を紹介しておこう。この小説、いま風というか、相当怖い。主人公は12歳の少年ユゴー。父親はアンリク・サンタナといい、彼は孤児で、乳母に育てられたようだ。ユゴーはママと雑種犬プルーストと一緒に暮らしていた。父の仕事はスーツケースのセールスマンだった。9月5日火曜日はユゴーの12歳の誕生日。ママがお祝いの食事をしている最中、パパから電話が入り、「パーティはおしまいよ」とママが怒り出す。そしてパパが帰宅後、2人は取っ組み合いの喧嘩になり、弾みでママはパパを殺す。浮気が原因のようだ。警察は「正当防衛」としてママの罪は問わぬが、ママは頭を剃ってスキンヘッドになる。保険金も入り、ママは引っ越すことにし、ユゴーは郊外の赤煉瓦の家に連れて行かれる。彼の部屋は狭い屋根裏だった。ユゴーはママが好きだが、不動産屋ベルナールに色目を使うママは嫌いだった。その日はあまりの空腹だったため、プルーストの餌を取ろうとしてユゴーは頬を食いちぎられる。不動産屋は犬を殺し、胃袋から頬を取り出し、医師が縫合する。1年が経ち、ママはユゴーの誕生日に剃った髪をくれる。彼らは次第に淫らな関係になっていく。保険金を使い果たしたママは、ベルナールと彼の仲間から金を取り、売春を始める。話はここから悲惨の度合いを増し、結末は悲劇の極で終わる。いかにも現代的モチーフで、ぞっとしながらもあり得るなとも思う。これら3冊の内、1冊でも重版したらこの「シリーズ」、さらに3冊出す予定があるという。3冊とも是非図書館に入れて欲しい。