紙の本
はれた日に学校をやすんで……ましたか?
2002/07/14 03:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キイスミアキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハナコ、アクション、小学六年生──と様々な雑誌に収録されていた作品を集めた本です。内容はバラバラだし、絵もずいぶんと違っていますが、まあそれは当然のことでしょう。元々載っていた雑誌たちが、あまりにも違いすぎますし、年代にも最大で五年程度の開きがあります。
この本には、愉しむべきことがいくつかあります。
まずは内容から。表題作「はれた日には学校をやすんで」に代表されるような、シンプルな絵で描かれているが内容は郷愁と哀切に満ちている、読み終わるとちょっとした感情や違和感が残されるようなマンガ。次には、ハナコで連載されていたという、『恨ミシュラン』や『鳥頭紀行』などを彷彿とさせるような、身体を切り売りしているマンガ。
そして、視覚的に。芸大出身だからなのか、サイバラが使っている色はとても奇麗です。一見、適当にも見える塗りですが、きっとセンスの成せる技なのでしょう。単純な線で描かれた人物たちなのに、微妙に変化していく感情の変化を、コマごとに付けることできているのは、やはり絵が上手いからなんだと思います。
最後に、ここがもっとも重要だと僕に思えるのが、差異です。色々な雑誌から作品を集めて一冊の本となっただけに、内容にも絵柄にも大きな差があるわけで、そこに注目することでサイバラ作品の様々な魅力にいっぺんに触れることができるわけです。
表紙の裏などにこっそりと印刷されている、みつえちゃんこと青木光恵をネタにした書き下ろしのマンガも見逃さないようにしましょう。作中の作品との大きな差異に、僕は痺れました。
紙の本
不思議なテイストがいい。
2001/03/23 21:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵は相変わらずだけど、背景もないけど、結構いいです。すごくおもしろいのもあれば、悲しくて笑えないのもあります。自選作品集ということでけっこういい作品があります。
「やまもとくんとまぶだち」という男の子の友情を書いたのは笑えるような悲しいような。不思議なテイストです。
サイバラファンならおさえておきたい一冊です。
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学校っつったらずる休みでしょ。そんでお母さんがいない間にファミコンしたり、NHKみたりして、「ああ、いまこの時間みんな勉強してんだな」って思うでしょ。でも、なんでずるして休むんだろ。学校ってなんだろ。今でもわかんないや。
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すっかりしんみりさせられる作品です。
でも、のんびりしているだけじゃなくて、しっかりと本質も突いてきます。しかもそうとう痛いところを。
これがサイバラ作品の真骨頂と思わせる、初期の作品がいろいろと収められています。
もはや、漫画というよりは、絵本の領域だとも思います。
読んだことのない人にはぜひ読んでもらいたい、大切な本です。
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女の子の細やかな感受性あふれたリリカルな作品、BS漫画夜話で紹介されて読んでみて、ここから西原漫画の大ファンになりました。
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表題作「はれた日は学校をやすんで」を掲載するために、足りないページを昔の漫画で埋めた構成である。彼女のセンチメンタルな部分が表出している「はれた日は学校をやすんで」は青臭くだからどうしたの?って感じだである。掲載誌(「小学六年生」)と内容を考えれば対象読者に向けての優しいメッセージになるのだろうが、すれた大人向が読む内容ではない。
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短編が詰まったもので、この中の『やまもとくんとまぶだち』が宝島で連載されてて。それが僕とサイバラの出会い。一瞬で好きになりましたよ。
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小さな頃に、田舎に住んでいたり、貧乏だったり、勉強ができなかったり、運動ができなかったり、おじいちゃんやおばあちゃんと暮らしていたり、いじめられっこだったり、何かしら子供時代に後ろめたい思い出だとかコンプレックスを感じていた人は、これを読んだら心がえぐられるような思いをするのではなかろうかと思います。
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単純に“いやー、おもしろかったー。”といえる作品。『久しぶりのエッセイ集』と本屋に平積みされていたので、さくらももこ作品を最新の『ひとりずもう』から読んでしまい、“なかなかおもしろい”と思ってしまったが、比ではないほどよくできていて、おもしろかった。ちょっとブラックの感覚もあり、いつも冷めた目で客観的に観察し、おもしろくまとめる。笑いのツボを刺激され、始終、ニヤニヤしながら楽しんだ。疲れたときや行き詰まったときにお薦めの本。
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玉石混合の名作集
表題作は佳い。墓場に持って行きたいくらい良かった。
が、酷いのもたくさんある。
2010/08/20、読了。文京図書館から借用。
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「山本くんのまぶだち」にみる友情が痛くて泣ける。絵の下手さが、計算されているのかと思ってしまうほど、少年のころのずるがしこさや、切なさが伝わってきた。西原理恵子はちいさいころの記憶をたくさんもっているのだろうか?自分のまわりにも、こんな子どもたちがいたような気がしてしまうのだった。
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私事ですが13年間、家族としてともに生きてきた元気(犬・♂)が死にました。一月前に逝ったじいちゃんの後を追うように。 この本に収録されている「ジョン」という短編漫画も、飼い犬との別れを描いたもの。捨て犬だったジョンは、「ぼく」に向かって「はようにひろうてくれと」「ひっしにしっぽをふった」ともに過ごす日々。確かに家族だった時もあった。でも「ぼく」は成長し、ジョンは忘れられていく。気づくと病を負ったジョンは、庭の片隅で薄汚くなっていた。忘れられていく悲しみ。忘れていく悲しみ。こんなに短いページ数で描いてしまう西原はすごい。すごすぎる。「ぼくはほっとして泣いた」この最後の台詞で、私も泣きました。
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彼女は幅が広いなぁ〜と感じた。
学校ってそんなに楽しいとこじゃないよね。
教師が思ってるほどいいとこじゃないよね。
悪くもないけど。
でも、息がつまるって時があるよね。
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どうしても不登校の息子・娘に学校へ行ってもらいたいと思ってる親御さんは、ぜひ読んでみてください。「不登校治療」を掲げるクリニックや相談室より、ずっと役に立ちます。
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最近の西原さんとは違うな〜と思いながら読み、読み終わって発行年を確認すると…何と22年も前のマンガだった!
もちろんグッとくるものは、時代がたっても変わらない。思春期の気持ちや老いや家族に対する気持ちは、どれだけ時代が変わっても同じものがある。