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アイデン&ティティ | 5-158 | |
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マリッジ | 163-362 |
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紙の本
文科系男子は必読ではなかろうか
2004/05/02 23:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バンドブームの真っ只中から終焉に至る時期に音楽を続ける男を描いた「アイデン&ティティ」と、その3年後に、同じ主人公が芸能界の流れの中でふんばりながら様々な愛に悩む「マリッジ」の2作を1冊にまとめたもの。「アイデン&ティティ」ではボブ・ディランが、「マリッジ」ではジョン・レノンとオノ・ヨーコが、それぞれ主人公にだけ見える人物として登場し、心の支えになる。そして、彼らとともに、あるいはそれ以上の存在として支えになるのが、主人公の彼女の存在だ。
俺はバンドを組んだことはおろか、音楽をつくる才能もない。でも、主人公が彼女のためになにかをつくろうとするという設定が、すごくよかった。主人公が彼女を前にして思う「ぼくは/やっぱり/この人に/ホメてもらう/のが/一番/うれしいんだ」という言葉で、ちょっと泣いた。
こういう女性がそばにいて、それこそ主人公が神のように思うディランやレノンと同じくらいの影響力のある言葉を与えてくれる、自分が前に進むための感情を呼び覚ましてくれるというのは、ひとつの理想だよなあ。
もちろん、みうらじゅん氏の実体験も活かされているのだろうし、1980年代の音楽、バンドブームってこんなだったなあという懐かしさもあると思う。でも、当時をあまり覚えていない俺のような人間にも、充分に楽しめた。人によって色々な読み方ができると思う。いずれにせよ、文科系男子は必読ではなかろうか。