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紙の本
サレックへの挽歌
2000/08/07 18:35
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投稿者:新田隆男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
TVや映画のノヴェライゼーションには、どこかいかがわしさが漂うしさらにサイド・ストーリーを描いたものとなるとなおさら。
だが、これはなんと『スター・トレック』シリーズでカーク提督を演じてきたウィリアム・シャトナー自ら手がけた一冊。と、なるとファンは手に取らざるを得ないだろう。
まずは、死んだかと思われていたカークが(このシリーズお約束の)復活を遂げる滑り出しから快調、続いて、スポック、マッコイなど御馴染みの面々が揃い、新シリーズの主人公ピカード艦長までが登場する大サービスぶりが楽しい。が、そのサービスが結構、過剰な感じで、カークの少年時代の回想があったり、過去の出来事の意外な真実が打ち明けられたり、御大シャトナーが書くと誰にも暴走が止められないのか、エピソード陳列はやや破天荒な印象も。
シャトナー自身は、トレッキーと呼ばれる熱狂的なファンには、一定の距離を置いてきた珍しいタイプの出演者らしいが、この破天荒さ、「スター・トレック」のストレートな延長を見せる、というよりは「アレは実は…」的に過去を引っ繰り返す、ややアンチに近いノリは、ひょっとしたら、そうした熱狂的なファンへの悪意もあるのかも。
ピーター・フォークが製作総指揮を兼ねている「新・刑事コロンボ」シリーズも、最近、「刑事コジャック」でやった方がいいようなマフィア話を描いたりしているが、出演者というのは、意外と天邪鬼なモノなのかもしれない。
熱狂的ファンには衝撃、普通のファンはニヤニヤというリトマス試験紙のような一冊。
(新田隆男・エンタテインメント探偵)