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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.7
  • 出版社: 角川書店
  • レーベル: 角川文庫
  • サイズ:15cm/414p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-04-284202-X
文庫

紙の本

囚人捜査官 (角川文庫)

著者 スチュアート・ウッズ (著),峯村 利哉 (訳)

囚人捜査官 (角川文庫)

税込 901 8pt

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みんなのレビュー1件

みんなの評価4.0

評価内訳

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紙の本

究極の潜入捜査サスペンス

2001/08/07 05:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:旅歌 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『警察署長』の露骨なまでのアメリカ賛歌に辟易して、作者からちょっと遠ざかってしまった。『草の根』も、解説のこぶ平オススメの『ニューヨーク・デッド』も『サンタフェの裏切り』もみんな仕入れてあるのだが。たった一冊読んだだけで、スチュアート・ウッズさん=右翼(^^;;;との図式が出来上がってしまったのでした。全くお恥ずかしいばかり。懺悔というわけではないが、この作品は誉めちゃいますね…(^^;。

 設定、人物、ストーリィテリング…、どれを取っても一級品だ。ちょっと軽すぎやしないか、と思わず目くじらを立てたくなるほどのサービスぶり。一度開いたら決して本を閉じることのできない、果てしなく続くジェットコースターノヴェルだ。特に、後半に入ってからは心臓に良くない場面が続く。心肺機能に問題のある人は避けた方がよろしいかも。結末の見えるサスペンスには違いないが、そんなことは先刻承知。結末に至るまでのディテールの積み上げ方と工夫と、主人公の人物造型がお見事なのである。

 お約束のヒーローの恋愛が安易過ぎるとか、意外と脆い敵にがっかりするとか、後半のチェイスが簡単すぎるとか(空中戦を期待したのだ(^^;;;)、主人公のアンチヒーローぶりがちょっと半端だとか、敵味方がはっきりし過ぎて人間関係に捻りがないとか(これには恋愛が被る)、もうひとりの敵も随分脆くてひ弱だとか、この捜査官はできすぎだとか、それに絡んでたった数ヶ月で中枢に入れるなんてよっぽどの人材難なのだねぇとか……、不満をあげつらえばきりがない。でも、どれもこれも適度というか…、ほどよくサスペンスしてるのです。充分とは言い難いが、かなり満足できる出来栄えだと思う。もちろん、更なる捻りを加えればもっとおもしろい作品になったとは思うが。

 元麻薬取締局捜査官で濡れ衣を着せられて服役中のジェシー・ウォーデンが潜入捜査する先は、武器密売の疑いのある新興宗教の教団だ。教祖はベトナム戦争の英雄。今日的なうまい設定だよね。しかも、潜入捜査しつつ濡れ衣を着せた相手に復讐も忘れない。結局、名より実を取るのだね。それなりのカタルシスが用意されていて、それなりにスカッとさせてもらえる。前述の不満さえ我慢すれば、かなり楽しめるのでは…。映像向きの作品でもあるから、誰か映画化しませんかね。おもしろい映画になると思うんだけどな。

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