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紙の本
失恋芸人化する藪内笹子
2002/09/21 03:00
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投稿者:じゃりン子@チエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「一生藪内笹子だけ描いて生きていけるかも知れない」と思ったらしい、しりあがり寿の笹子シリーズ三作目。笹子の失恋はもはや芸になってます。「瀕死のエッセイスト」という、死を描いておそろしく幻想の無い作品をも、ダ・ヴィンチ誌上で死に芸(?)マンガにしちゃった作者だけあります。一巻に比べるとギャグそのものがベーシックなものになった印象はありますが、まだまだ楽しめます。
ところで、椎名誠の「場外乱闘はこれからだ」に、ノイローゼで精神科に通っていたときのことが書いてありまして。その当時はずっと厚いジャケットを着込んでいたが、回復してからは重苦しくて着られなくなった、という記述を発見しました。これが「心が寒くてコートが脱げない」という笹子のセリフにあまりにぴったりくるので、母に話したところ「あんたもあんたの弟もいじめられてた頃はびっちり厚いジャンパーを着込んでたもんねえ。ホントに心が寒いとそうなるのよ」と、えらくしみじみとした答えが返ってまいりました。なるほど。
しかしですね、何の根拠もありませんが、しりあがり寿は「コートが脱げなかった」事はない人だと思うのですよ。でも、彼は「コートが脱げない人」をその本質からとっつかまえて描ける人なんですよねえ。すごいです。不思議です。