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商品説明
情報化の意味と、それがもたらした社会の変容を明らかにし、情報管理の諸問題に視点を向けて解説する。目まぐるしく変化する現象を整理し補足した93年刊に次ぐ新版。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
ITの高度な進化が企業経営をどう変えてきたか,情報の生かし方で企業の将来がいかに左右されるかを解説
2000/12/01 21:16
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投稿者:浜田 和幸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の強みは「情報管理論」に関心を持つ大学生や企業人が,コンピューターの誕生にまでさかのぼって,情報システムの進化の歴史をたどることができる点である。日常的に利用しているLAN,VAN,インターネットなどネットワークの発展の背景や技術的特徴を知ることは,その戦略的価値を判断する上でも不可欠の視点といえよう。特に,米国の国防総省が関与して生まれたインターネットの歴史と,それを支えた民間企業や大学の研究者の果たした役割を理解するには格好の教科書である。
また,セブン-イレブンやアサヒビールなどが,どのような情報管理戦略を試行するなかで,現在の成功の基礎を固めたかが,分かりやすく分析されている点も大いに参考になろう。前者の「POSシステム」や後者の「一貫システム」はさまざまなメディアで取り上げられているが,情報管理論という大きな枠組みのなかできちんとした位置付けがなされたことは評価される。
しかし,具体的に検討に付された事例は,すべて情報システムの導入によって社内イノベーションに成果を上げた企業のみである。読者とすれば,ライバル企業の取り組みとの比較や,導入に際しての抵抗をどのように克服したのか,さらには企業間情報ネットワークの採用に失敗した事例なども検討材料に加えてほしいところである。
なぜなら,本書で引用されている資料やデータは新聞や雑誌など一般に誰でも入手可能のものが中心であり,当然のことながら,ライバル企業も十分に研究しているはず。にもかかわらず,なぜセブン-イレブンやアサヒビールが各々の市場で優位性を確実なものにしたのか。その理由を情報管理システムだけで説明するには無理があるように思われる。他の環境要因も検討するといったバランス感覚が必要ではなかろうか。その点が次版には期待される。
(C) ブッククレビュー社 2000