国歌 写真集 世界１６７カ国

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投稿者：安原顕　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　ぼくは「国家など不要」の立場ゆえ、国旗・国歌も当然要らぬと考えている。また、また便宜上必要としても、第二次大戦を含む15年戦争でしきりに悪用された「日の丸」「君が代」だけは断固止めるべきだろう。それを自民と創価学会の野合与党があろうことか法制化までした。この罪は重い。さて、この奇妙な『写真集　国歌』、言うまでもなく「シドニー・オリンピック用」商品として企画された一種の「ゲテもの」だが、それなりに面白く読んだ。というのは、世界の大半の「国歌」の歌詞、イケイケの「好戦ソング」が多いと知ったからだ。フランス共和国「国歌」の歌詞は「行け　祖国の民よ／時こそ至れり／正義の我らに／旗は翻る／聞かずや野に山に／敵の叫ぶを／悪魔の如く／敵は血に飢えたり／立て国民　いざ鉾を取れ／進め進め／仇なす敵を屠らん」。アメリカ合衆国は「我らが旗星条旗よ／夜明けの空　夕べの靄に／常に見ずや　きらめく旗／弾丸降る　戦の庭に／頭上高く　翻る／堂々たる　星条旗よ／おお／我らが旗あるところ／自由と勇気共にあり」。エジプト・アラブ共和国は「おお／我が聖なる武器よ／我は　握りしめん／目覚めよ　立ち上がれ／戦の庭に」。ポルトガル共和国は「海の英雄　不滅の国民／立ち上がる時ぞ（略）／　勝利に　なれ　導かん／立てよ　立てよ／陸にも海にも（略）／祖国のために　鉾取りて進まん」。イタリア共和国「友よ　立てよ／イタリア　目覚めぬ／シピオノ　兜を／頭に　頂き／勝利はいずこぞ／勝利は　神に／常にローマの手の中に／剣を取れ／命捧げん／命捧げん／国のため」。ポーランド共和国「栄えよ　我が国／栄えある国／御国の仇なす　敵をば討て／進め　いま／立てよ国民／かたき誓い／守る我ら」。ユーゴスラヴィア連邦共和国「（略）寄せ来る敵をも　ものともせず／悪魔の軍勢攻め来るとも／我らは　こぞりて　防ぎ止めん／巖の如くに　断固として／御国に仇なす／敵を討たん」となっている。社会主義国の国歌、当然、さらに凄まじい。ぼくは茶番と偽善のオリンピックについても廃止論者だ。「プロもｏｋ」とはおかしいし、チープなナショナリズムも好きではない。サラマンチ会長の悪事はバレてもお咎めなし、風邪薬を飲んだ選手は金メダル剥奪、審判がミスジャッジをしても銀が金に代わることもないなど、馬鹿らしくて見ちゃおれぬからだ。