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商品説明
企業で、家庭で、いま何が起きているのか。ライフスタイルの多様化、価値観の変化、厳しい経済状況…。四半世紀にわたる取材と裏付け、分析により、様々な「摩擦」の実相を捉え、激変しつつある今と未来への展望を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
鹿嶋 敬
- 略歴
- 〈鹿嶋敬〉1945年茨城県生まれ。千葉大学文理学部卒業。現在、日本経済新聞社編集委員兼論説委員。著書に「男の座標軸」「男と女変わる力学」など。
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紙の本
2000/10/15朝刊
2000/11/10 21:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会の枠組みが変わる時には、多かれ少なかれ各所で摩擦が生じる。今世紀の特筆すべき変革の一つは「女性解放」。これに伴う男女関係の再構築も例外ではない。著者は新聞記者として女性問題の取材に長年携わってきた。企業や家庭で起きている摩擦の実態を、証言やデータをもとに丁寧にあぶりだす。
「男は外で働き、女は家庭を守る」という性別役割分業が崩れ、多くの女性が企業で働くようになった。だが職場を支配するのは相変わらず、全エネルギーを会社にささげる男性の論理。やむなく職場を去った総合職女性の証言は、家庭生活との両立を掲げながら効率優先に流れる企業社会の矛盾をえぐる。
そして家庭責任の多くを担う女性は、パートタイマーや派遣社員という安価で不安定な労働に押し込められようとしている。背景にあるのは「平等」から「均等」にすりかわった政策の流れと説く。
家庭でも女性の意識の変化に対し、男性の鈍感さが目立つ。家事・育児を手伝うこともなく、妻に奉仕を求める夫。そんな女性たちが起こした“反乱”が非婚、晩婚。政財界が危機感を強める少子化も男女摩擦の産物という認識は、多くの読者が納得するのではなかろうか。
ただ、著者は摩擦を単に男と女という単純な構図でとらえているわけではない。厳しい経済状況、働く女性と専業主婦の利害対立、企業の論理に疑問を抱き始めた男性たちの登場なども視野に重層的に考察している。来世紀に持ち越されるだろう問題の本質が見えてくる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000