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- カテゴリ:大学生・院生
- 発行年月:2000.10
- 出版社: シュプリンガー・フェアラーク東京
- サイズ:21cm/315,10,17p
- 利用対象:大学生・院生
- ISBN:4-431-70850-2
- 国内送料無料
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紙の本
代数幾何の魅力を余すことなく記述。グレブナー基底の考え方を2冊に収録。大学院生,研究者必携の書
2001/02/23 00:16
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投稿者:木村 智博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンピューター技術の発展に伴い,代数幾何学の研究が進展している。実践的な面でも応用され,ロボット工学などにおいては,特に重要な概念となっている。関連書籍が何冊か出版されているが,本書ではグレブナー基底の考え方を詳述した専門書である。扱われる事項があまりにも多いことから,2分冊になっている。この2冊は関連性が深く,代数幾何学を体得するうえでは不可欠な関係を保っている。純粋数学ばかりではなく,応用数学で取り上げられる項目もフォローし,幅広い読者に支持されよう。アルゴリズムに関する記述も充実するなど,理学のみならず,工学系の大学院生,研究者にも薦めたい1冊。原題に示されている“Using Algebraic Geometry”のとおり,代数学と幾何学のエッセンスを凝縮している。専門的な事項は丁寧に説明するなど,読者の便宜を図る。また,練習問題も多く,教授陣にとっても必携の書である。
(1),(2)巻は有機的につながっている。(1)巻では1〜5章,(2)巻は6〜9章が収録されている。1,2章ではグレブナー基底(基礎的な定義,アルゴリズム,定理)とともに,方程式の解き方などに触れる。3,7章は実践的な応用に有利とされている終結式を扱う。7章においては特に,多面体,混合体積などに言及。4,5,6章は可換代数に焦点を当て,局所環上の計算,加群,自由分解を取り上げる。また,ヒルベルト函数とその幾何学的応用についても紙幅を割く。8,9章で応用数学に関連する事項を解説し,いずれも興味深いテーマである。整数計画,組み合わせ論,多項式スプライン,代数的符合理論などが取り上げられている。最先端の数学を丁寧に記述し,しかも,本書の活用法,講義に利用する際の使い方,参考文献を示すなど,学生,教師双方にとって便利である。全体を通じ,600題を超える練習問題が付され,理解度を探ることも可能。グレブナー基底の基礎,終結式の理論,可換代数,応用数学といった代数幾何の多様な側面に触れることができる。
(C) ブッククレビュー社 2000