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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.11
- 出版社: 幻冬舎
- サイズ:19cm/300p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-344-00030-7
読割 50
紙の本
教養論ノート
著者 浅羽 通明 (著)
いったい教養は必要なのか不要なのか? 目的なき勉強・教養ブームの今、「いわゆる教養」から「自分だけの教養」へ、自分が何を学び身につければよいのかを、7章にわけて紹介する。...
教養論ノート
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商品説明
いったい教養は必要なのか不要なのか? 目的なき勉強・教養ブームの今、「いわゆる教養」から「自分だけの教養」へ、自分が何を学び身につければよいのかを、7章にわけて紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
浅羽 通明
- 略歴
- 〈浅羽通明〉1959年神奈川県生まれ。早稲田大学法学部卒業。「みえない大学本舗」主宰。著書に「試験のための政治学」「ニセ学生マニュアル」他。
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紙の本
「教養再構築のための青写真」
2000/12/07 14:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中宮崇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
教養なんてものは、まったく役に立たない。教養など無くても豊かな暮らしをおくれるし、幸せに生活することもできる。
しかしながら、教養に対する幻想は未だ根強く、期待も大きい。その証拠に、バブルもはじけて自分を見失った人間であふれている昨今、教養だの思想だのに自分探しの手がかりを求めようとする人々は増加傾向にある。
ところがそういった人々は教養書や大学の一般教養課程で「教養」なるものに触れたとたん、一様に失望する。なぜなら世間で「教養」と呼ばれているものには実のところ、「自分探しのための手がかり」などという実用的な効用が、まったくと言って良いほど見られないからである。
著者は、そんな「教養」の悲惨な現状の原因を、大学等による教養の独占的非競争的供給にあると分析し、研究者の自己満足による趣味的自慰行為が「教養」を役立たずなものにしたと断じる。
そして一般の人々のニーズに合った「教養」を再構築するための方策として、「臨床思想士」なる職業の創設を提唱している。
「臨床思想士」とは実にユニークな発想であるが、要するに、教養だの思想だのに救いを求めてやってくる人々に対し、古今東西の思想の中からその人に合ったものを提示してあげる職業らしい。
一種のカウンセラー的な仕事ではあるが、中にはオウム真理教の教義のような極めて危険なものをお客に投与してしまう族も出てくるかもしれないし、もし思想士の資格を国家が与えるとするならば、反国家的な思想は排除されてゆくかもしれない。
本書は浅羽による教養再構築作業のための総論に過ぎず、そういった危険性についての突っ込んだ考察は見られないが、これから出てくるであろう続編が早くも楽しみでならない。
「教養」「思想」というものに安易に手を出して失望する前に、ぜひとも一読していただきたい一冊である。
(中宮崇/海坊主)