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正直者が馬鹿を見る国民健康保険 (宝島社新書)
著者 松谷 宏 (編)
他の市町村に転出すれば滞納分は白紙に。保険料を4割払えば保険証は交付される。無申告者はゼロとして保険料が決定される。滞納がどれだけ多くても保険証は交付される…。全国都市の...
正直者が馬鹿を見る国民健康保険 (宝島社新書)
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商品説明
他の市町村に転出すれば滞納分は白紙に。保険料を4割払えば保険証は交付される。無申告者はゼロとして保険料が決定される。滞納がどれだけ多くても保険証は交付される…。全国都市の保険料格差の実態を公開。【「TRC MARC」の商品解説】
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行政の怠慢で、制度が危機に陥っています。がんばれ、清水市長(群馬県太田市)!
2003/06/08 13:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:torichan - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は「国民健康保険(国保)徴収員」として、1年契約である市の職員となり、保険料徴収の仕事を12年勤めた方です。わたしのようなサラリーマンは、組合健保か政管健保なので、健康保険料は給料から天引きされていますから、支払いに対する「抵抗」は不可能なのですが、国保の場合は、払う人が口座振替にしない限り、窓口に出頭して払うか、徴収員の戸別訪問に対して払うか、となります。そうなると当然、「きちんと払わない」人が出てくるわけで、徴収員は主としてそういう方から徴収するのが仕事になります(給料が徴収額見合いの歩合制だそうです。歩合制の公務員て知りませんでした)。そうして著者は12年の経験で、様々な人たち、ケースを経験し、「国保制度の矛盾点」をいやというほど味わって、その全てをこの本に著したわけです。実態をみると、「これは、ひどい」「不公平」「ごね得の逃げ得」です。これでは「何も知らずにきちんと払っている人たち」が「いい面の皮」であります。けれどももちろん、国民として市民として、「きちんと払って当たり前」なのですが、「払わなくても、大丈夫(保険証がもらえて、払ったのと同じ待遇が受けられる)」のであれば、「払わずにすませよう」とするのが、悲しいですが、資本主義社会に生きるわたしたちの性向、性癖だと思います。つまり制度がいいかげんで、それを執行する市役所の方々の運営もいいかげん(これ、実にひどいです)だから、そうなってしまうのです。通常、税金など公租公課を滞納すれば、差し押さえがやって来るはずです。しかし、国保においては、市役所の職員は「できない理由、効率的でない理由」を並べ立てて、「差し押さえの前例はゼロ」だそうです。そこで期待の星は、群馬県太田市、清水市長です。この方はこの間3期目の当選をされましたが、「きちんと保険料を払わない人に、保険証を出す必要はない。弱者救済の話とは別。差し押さえもやっていく」と語っておられるそうです。差し押さえが2,3始まったら、効果は覿面で、皆競って払いにくるでしょう。給料とか差し押さえればいいんですよね。それから著者は「行政とは市民へのサービス業なんだから、土日にやってこそ意味がある」とも主張されます。全く同感です。私、サラリーマンですが、会社を休まずに、住民票取れません。おかしいですよね。わたしが払っている税金で運営されているのに。清水市長は太田市のHPで「土日開業に向けて進めて行く」と言っておられます。ああ、なんて頼もしい政治家でしょうか。こういう人についていきたい。最後に、著者は、「どうせみんなから集める(国民皆保険)だったら、いっそ保険料の支払いはゼロ、なしにして、消費税上げてまかなえばいいじゃないか。そうすれば社会保険事務所とか、徴収のための公務員は一切いらなくなる。今は、この制度の存在のおかげで多くのお金がかかっている。全部不要になる。これが行政改革だ」と主張されます。これまた全く同感です。給料天引き分が消費税にかわるだけです。そうすれば、「払わずに、逃げている人」も存在しなくなります。保険証すら不要になります(実際は支払い手続きなどで必要でしょうが)。今、わが国の制度は「国民皆保険」です。皆に関係のあることです。是非、この本が震源地となって、制度改革に向かうよう、期待しています。登場する市役所の職員の方の意識改革も期待したいですが、そっちはちょっと、無理かもなあ。