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紙の本
病気の分子医学 (シリーズ・バイオサイエンスの新世紀)
著者 春日 雅人 (編),平井 久丸 (編),日本生化学会 (編集)
あらゆる病気は遺伝素因に環境要因が加わって生じる。遺伝病から感染症までの10の疾患について、各疾患成因解明へのアプローチの方法、今後の研究の方向性、残された課題など言及す...
病気の分子医学 (シリーズ・バイオサイエンスの新世紀)
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商品説明
あらゆる病気は遺伝素因に環境要因が加わって生じる。遺伝病から感染症までの10の疾患について、各疾患成因解明へのアプローチの方法、今後の研究の方向性、残された課題など言及する。【「TRC MARC」の商品解説】
すべての病気は遺伝素因に環境要因が加わって生じる。特定の遺伝子変異をもつほとんどの人が発症する遺伝子病から遺伝素因はほとんど関係のない感染症や中毒症まで、遺伝素因と環境要因が果たす役割は病気によって異なる。ポストゲノム時代を迎えて、我々は「病気がどのような機序で起こるのか?」の問いに答える絶好の位置にいると考えられる。
本書は疾患の病因解明へのアプローチの方法や技法について解説するとともに、実際の疾患を例にあげて、分子生物学的な見地から病態を解説するように企画された。また、疾患の分子機序が明らかになった例において、そのような分子を標的とする治療の開発例についても解説を加えた。
21世紀は疾患の原因となる分子を明確にし、その分子をターゲッティングして治療を行うという、本質的かつ生理的な医療が求められている。本書は疾患の分子生物学的な解説のみならず、そのような医学・医療を指向する入門書としても最適である。【商品解説】
目次
- 第1章 病因解明へのアプローチ
- 1-1 疾患発症における遺伝子異常の役割
- 1-2 病因遺伝子解明の方法
- 第2章 疾患の発症機構の実際例
- 2-1 QT延長症候群の分子病態
- 2-2 大腸がんの遺伝子異常と多段階発症
- 2-3 消化性潰瘍とHericobacter pylori
- 2-4 ウイルス感染と肝炎
- 2-5 多因子病としての糖尿病
著者紹介
春日 雅人
- 略歴
- 〈春日〉東京大学医学部医学科卒業。神戸大学医学部内科学第2講座教授。
〈平井〉東京大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻助教授。
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病因解明,疾患の発症機構を分子生物学的な視点で捉える。また,遺伝子治療などの知見も盛り込む
2001/01/19 18:15
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投稿者:高山 博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バイオサイエンスの進展は目覚ましく,さまざまな書物が出版されている。また,シリーズものもいくつかあり,当該分野を体系的に解説しており,読者にとっては非常に有用である。本書は,「シリーズ バイオサイエンス」(全15巻)のうちの14巻目に当たる。進展するバイオサイエンスをフォローするのは至難の技であり,これは第一線の研究者についても当てはまる。本シリーズは,若い世代に研究の現状を伝えることを目的に編纂(へんさん)されているが,扱われる内容は高度であり,研究者や技術者にとっても役立つはずである。この巻では,疾患を分子生物学的な視点で捉え,最新情報を盛り込んでいる。
具体的には10の疾患を取り上げ,発症のメカニズムを分子生物学的・遺伝子工学的に解説している。病因解明,発症のプロセス,具体的な治療の考え方,今後の研究の方向性,残された課題を論じる。ヒトゲノム計画の関連で,医療分野への応用が期待されるが,病因遺伝子に加え,遺伝子情報が個々人で異なることから,今後は解析技術の高度化とともに,オーダーメイド医療の確立も視野に入る。こうした時期に,本書の刊行は時機を得ている。
本書を一読すれば明らかであるが,基礎研究と実用化を前提にした応用研究の必要性を説いている。20人を超える第一線の専門家が執筆,大きく,3部で構成されている。まず,病因解明へのアプローチを行い,遺伝子異常との関連,病因遺伝子の解明に紙幅を割いている。第2部では10の疾患を取り上げ,発症機構,分子病態などを解説。そもそも,どうして病気になるのか,どのような仕組みで発症するのかが解明されなくては根本的な治療は不可能である。この意識で,大腸がん,ウィルス感染症,糖尿病,動脈硬化,神経疾患などを眺める。ただ,病因遺伝子だけで発症するわけではなく,環境的な因子も考慮に入れている。第3部は薬剤の開発,各種免疫療法,遺伝子治療などを取り上げ,今後を展望する。随所に挿入されたコラムも,非常に読みやすい。
(C) ブッククレビュー社 2000