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女子プロレスに参戦するエアマスター摩季と崎山のタッグ“ファミレスラーズ”
2003/02/05 12:06
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投稿者:uwasano - この投稿者のレビュー一覧を見る
崎山の前に現れ、彼女を組み伏せた女・芹口トミコは女子プロレスラーだ。トミコは崎山をタッグのパートナーに誘うのだが、崎山は拒否してしまう。通りがかりの摩季を、トミコと戦わせたところ、トミコは全治1カ月のケガを負う。
トミコから虎のマスクとウェイトレスのコスチュームを渡された摩季は、崎山とタッグを組み、女子プロレスのリングに上がる。チーム名はファミレスラーズだ。彼女らの前に立ちふさがる崎山の宿敵とは? そして初登場する新たな敵とは?
崎山が大活躍する第8巻である。第1巻で崎山が摩季と対峙し、摩季にいいかけたセリフがある。「あんたは羽をむしられた○○」というセリフで、「○○」の部分を考えている最中に、あっさり摩季にやられてしまった。この第8巻では、第1巻で中途半端だった崎山のセリフ回しの魅力が、プロレス特有のマイクパフォーマンスや、宿敵と対峙した時の人生哲学の発露場面で、ふんだんに発揮される。
そんな崎山の姿=根性を見た摩季は、その眼を燃え上がらせ(p119、p136)、本格派格闘技タイプのタッグチームを、得意の蹴りと空中殺法で軽々と撃破してしまう。決勝戦に進出したファミレスラーズは、早瀬実緒&サンパギータ・カイのオールジャパン女子のチャンピオン・チームと対決する。その戦いは、第9巻に続く。
昔から漫画を読んで疑問に思っていたことがある。「本当に強い人はどこにいるのか問題」である。漫画『グラップラー刃牙』(板垣恵介著)で、地下闘技場に集まった格闘家達は、プロレスラーや横綱力士、オリンピックのレスリング選手等、それぞれ格闘技のプロが多かった。本当に強い人間は、プロ格闘技の道に進んでいるという、真っ当な流れだ。喧嘩ヤクザや暴走族もいたが、これも分かる範囲だ。
『エアマスター』の登場人物はどうか? 職業としてはゴーストライターやプロモデラー、東大を目指す浪人生もいる。強いのに、プロ格闘家の道から外れた進路にいるという、人は見かけによりませんという面白さだ。
しかし今回の敵はプロレスラーだ。このままプロ格闘技の世界へ飛翔してしまえば、『あしたのジョー』の流れだ。真っ当なスポーツ漫画に突入することになる。ところが『エアマスター』はその流れにのらない。あくまでストリートファイトをメインストリートとした物語だった。ストリートファイトの強弱のランキングを作る人物の登場により、物語が秩序立てられていく。『刃牙』のようなトーナメントで勝敗を決めていくのではなく、強弱のランク付けをするという、偏差値競争をほうふつとさせる物語に突入する。エアマスター摩季も、サンパギータ・カイも、その流れに巻き込まれる。予想を裏切る展開が、この漫画の面白さである。