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紙の本
壮大な球団
2002/07/20 10:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:HRKN - この投稿者のレビュー一覧を見る
阪神タイガースのいい時代を満喫できる。その創成期、その苦難の時代、タイガースの歴史が淡々と語られる。まるで壮大な叙事詩を読むような心持ちだ。
特に1985年のシーズンのエピソードの感動的なこと! 選手一丸となった熱い雰囲気がビリビリと伝わってくる。それに私は、川藤という人物の格好良さを感じた。今まで彼を小馬鹿にしてた自分の態度を反省するほどに、彼の真摯な人柄が丁寧に描かれていた。ああ、この時代に阪神ファンで居たかった…。
で、俄か阪神ファンな私である。
紙の本
わが国のプロ野球を巨人と共に主導し、数々のスターを生んだ熱血球団タイガースの再奮起を願う応援の書
2001/11/20 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:高橋洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
阪神タイガースというのは不思議なプロ野球チームである。若林忠志、別当薫、藤村富美男、吉田義男、小山正明、村山実、江夏豊、掛布雅之、ランディー・バースら綺羅星のごときスター選手を輩出し、日本のプロ野球を巨人と共に主導してきたにもかかわらず、どこかしらその存在は劇画的な雰囲気で、今ひとつ現実から遊離して、「阪神」的な現実を形作っているという印象があるのだ。それは、つい昨年まで、チームの四番であった新庄選手がいとも気安くアメリカ大リーグへの移籍を果たし、しかも大方の予想を裏切って、かなりの活躍をしているという「新庄現象」などからも実感できるのではないか。
熱血、一匹狼的雰囲気、独特のダンディズム、負けん気、一種の超人主義のようなものが、これら往年のスター選手たちの存在から感じ取れるのである。一見、お調子者のような新庄からも、のせると怖いぞと思わせるような、ある種のオーラが発散しているように思える。新庄の場合、阪神球団から提示された高額の契約金を蹴って、新人選手のような契約金で、メッツに入団を決めている。それに、確か新庄本人が言っていたと記憶するが、大リーグで成功したら、いずれ阪神に戻りたいというのである。阪神ファンが聞いたら大感激しそうな言葉であるが、新庄をしてそう言わせるような計り知れない魅力のようなものがやはり阪神タイガースにはまだあるのだろう。
上田賢一著『猛虎伝説』は、阪神ファンでない、いわば部外者からすると何か理解しがたい魔的な吸引力を持ち続け、ファンからしても理屈抜きでいとおしいであろう老舗球団・阪神タイガースの歴史を、その拠点である甲子園球場が誕生した1924年の前後から21年ぶりのリーグ優勝で初の日本一に輝いた85年、そして10年間のうち実に6年が「最下位」という成績で終わった90年代まで、一ファンの立場から振り返っている。
36年、名古屋軍、東京セネタース、阪急などを含む7チームで「日本職業野球連盟」が結成され、プロ野球初の公式戦が始まり、巨人・タイガースの二強時代に入る。巨人の伝説的投手、沢村栄治と、タイガースの伝説の強打者、景浦将らを中心としてプロ野球創世記のドラマチックな物語が構成されていく。
37年には日中戦争が始まり、43年には、甲子園球場の大鉄傘も海軍の軍艦建造のために取り外された。敗戦後の46年からプロ野球の再建が始まり、47年には甲子園の米軍接収解除が決まり、サード藤村富美男、キャッチャー土井垣武らを中核としたタイガースのダイナマイト打線の活躍が始まる。悲運のエース、村山実、巧投・小山の時代を経て、豪腕・江夏、田淵、掛布、バースらが活躍、数々の奇跡を生んだ熱血タイガースの時代となる。本書は、こうした奇跡の再現を願う虎ファンの応援歌である。 (bk1ブックナビゲーター:高橋洋一/評論家 2001.11.21)