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紙の本
とても8年前に書かれたものとは思えない、この“今どきの感覚”
2001/03/28 16:36
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投稿者:内山京子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
脚本家・エッセイストとして活躍し、代表的なエッセイ『愛人の掟』が、昨年ドラマ化もされた梅田みかさん。“新・恋愛の教祖”とも言われている彼女の、8年前の短編小説集が文庫化された。タイトルにもあるとおり、1年12ヶ月の四季の移ろいの中にある、“別れ”をモチーフにした作品集だ。
金持ちで完璧な男への別れを決意する瞬間、バカンス先での出会いと別れ、結婚を意識した女性との気持ちのすれ違い、自分以外の女ともつき合っている男との決別などなど、12の話は様々だ。だが、別れを選び自分の道を歩き始める主人公たちには、“別れ”にありがちな悲愴感などはない。こちらが拍子抜けしてしまうほど、恋愛感情にドライな登場人物たち。とても8年前に書かれたものとは思えない、この“今どきの感覚”。“純愛”にこだわる著者の、新たな一面を見たような気持ちになった。