「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
ベンチャー企業から世界的な大企業へと成長した「松下電器」の発展の跡を追いながら、企業経営の基本問題をリアルな視点で解説した、ドキュメンタルな経営学入門書。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小田 章
- 略歴
- 〈小田章〉1943年大阪市生まれ。神戸大学経営学研究科博士課程中退。現在、和歌山大学教授。著書に「西独経営経済組識研究」「マネジメントの系譜と今日的課題」などがある。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
松下電器の発展を追いながら,企業経営の基本を解説した入門書
2001/05/10 22:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小林 貞夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「はじめに」にも書かれているように,本書は松下電器産業を題材に,その生成,発展,成熟そして変革のプロセスを参考にして「企業論」を展開している。理論を中心とし,実例を添える,従来の経営学のテキストブックとは逆の発想である。
第1部は「企業の誕生期(自立していない企業)」。企業の生成時に起こる諸問題をとり扱う。ベンチャービジネス論が中心である。第2部は「企業の成長期(組織維持から成長への過程)」。企業を自立しかけている公器と位置づける。経営理念や資源管理を論じる。第3部は「企業の成熟期」。企業を完全に自立した公器と位置づける。国際化からスタートして,企業の経営責任,事業統治,パラダイム革新などを論じる。
筆者たちは,この本の読者として,高校生,大学1,2年生,新人社会人など,経営学という学問にほとんど触れたことがない人々を対象としていると述べているが,すでに実務経験を積んだ人にとっても経営学を復習し,再整理し,実務に役立てることもできる。松下電器の具体的な経営の発展を追いながら,経営学の基礎的な理論や概念を説明しようとする努力が随所に見られる。経営にかかわる概念や用語も丁重に説明している。たとえば,第3章の「経営理念」と「経営哲学」の違いなどは,すでに経営学を学んだことのある実務家にも参考になるであろう。各部の終わりに紹介される参考文献・引用文献に簡単な解説が添えられているのも初心者にとってはありがたい。
紙幅の関係で省略されたのかもしれないが,できれば,日本のベンチャー型・小規模でスタートした企業と,最初から一定の規模でスタートした企業の比較検討を示してもらえればよかったと思われる。しかし,このことがなくても本書の内容に対する評価を下げるものではない。
細かいことだが,何個所か,おそらく校閲の際の見落としとして,かな文字が欠落していたが,読むうえでは影響がないので,読者が自分で訂正されるとよい。
(C) ブックレビュー社 2000-2001