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商品説明
マジメでなければならなかった近代以降の身体は、遊びを取り入れることによって、あいまいさのなか絶妙なバランスを保とうとしている。身体と遊びとがまじりあうポップな日常をユニークな視点で読み解き、身体のリアルを追う。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
松田 恵示
- 略歴
- 〈松田恵示〉1962年和歌山県生まれ。大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。岡山大学教育学部助教授。著書に「身体教育のアスペクト」「スポーツ文化を学ぶ人のために」(共に分担執筆)など。
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紙の本
スポーツする身体・遊ぶ身体をカルスタする
2001/09/28 03:15
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投稿者:野村一夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今日は<スポーツする身体・遊ぶ身体をカルスタする>のテーマでまったくちがう二冊の本をご紹介します。ひとつはアン・ホールの『フェミニズム・スポーツ・身体』、もうひとつは松田恵示『交叉する身体と遊び』です。いずれもスポーツする身体をめぐる文化状況を読み解こうとするもので、前者はジェンダー、後者は遊びを解き口としています。
ホールはもともとカナダの体育教師だった人ですが、心機一転イギリスで(まだ誕生期にあった)カルスタを学んで「女性とスポーツ」研究の第一人者になった人です。最初の章で彼女の知的遍歴が述べられています。素朴な疑問からしだいにフェミニズムへと至るプロセスは、スポーツ研究そのものの深化と見てよいでしょう。要するに理論的に考えるということが欠落していたのです。今でも少数派のようですが、どんなスポーツも「男と女」の仕分けが大前提になっているのですから、ジェンダー論的研究は大きな支柱となるべきでしょう。既存の研究成果もていねいに紹介され論評されていますので、「女性とスポーツ」研究入門としておすすめできます。
他方、松田さんの本では「遊び」を軸に、身体の文化社会学を展開したもので、こちらは題材も議論も、よりメディアよりでポップです。「ピアノ演奏のパラドックスと『ヂベタ座り』」という奇妙なタイトルの章が典型的なのですが、ピアノ演奏という身体的活動をスポーツと見ない〈まなざし〉のパラドックスを問うという姿勢が本書の通奏低音になっています。大学生に体育教師を作画してもらって「体育という経験」を調査した章や、『タッチ』の物語分析は楽しめました。松田さんは、作風としては「井上俊」的ですね。後継者として(?)注目しておきましょう。 (野村一夫/ソキウス 2001.09.28)