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紙の本
序盤はユーモア・ミステリ調で…
2001/06/10 04:18
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投稿者:松谷嘉平 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『招かれざる客』、『霧に溶ける』に続き、『人喰い』と同じ月に発表された初期本格推理小説の一作(1960年)。
▼理不尽な上司の嫌がらせに会社を自ら辞めた真弓と三枝子は、退社の日、自棄酒を飲みにいった先で見知らぬの男と意気投合する。泥酔した彼女たちと男はひょんなことから旅館で一夜を共に過ごしたのだったが、朝目覚めてみると…。
短めで、ちょっとスッキリした仕上がりの作品。風俗などの部分で多少古さを感じさせる部分はありますが、話の展開はモダン。
元OLのコンビが、事件に巻き込まれるまでの序盤は、著者には珍しく、コミカルなタッチで進みます。でも、その後は、真弓の一本気なキャラクタはそのままではありながらも、直ぐに何時ものような著者独自のロマンティックで、サスペンスフルなものへ。そのままユーモア・ミステリ的な方向に行ってもらえたほうが個人的には嬉しいんですが。
その後明らかになる幾つかの「死」をめぐる謎は、またまた密室にアリバイ。密室の方は、あまり派手ではないながらも、もう一つのトリックと結びついて面白い展開を見せます。
アリバイは真相は予想しやすいものですが、これも、もう一捻りして錯綜したものにしています。それらがピッタっと一つの構図がはまるところは「パズラーの醍醐味」。
細かく見れば論理的なミスに近い部分もありますが、きっちりと水準をクリア。ラストの盛り上がりも見事ですし、またまたタイトルが最後に鮮やかにストーリー全体を意味づけるとこは、やっぱり上手いです。