紙の本
フラメウスプーパ
2002/07/17 17:36
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投稿者:奥原 朝之 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ第五作。今回は害虫とコロンビアマフィアがテーマ。
知らない人が多いと思うが、日本国内でも野菜を他県に出荷することを禁じられていることがある。例えば沖縄のサツマイモ(紅いも)である。数年前まではニガウリや柑橘類も移出できなかった。これは沖縄にしか生息しない害虫を本土に入れないためである。
日本は幸いなことに海で隔てられているために外国から虫が自分で日本に入ってくることはない。人や植物が虫を運ぶのである。それを水際でせき止めるために税関には植物検疫官なる者が存在し、害虫を入れないようにしている。
今回のテーマである害虫は名前をフラメウスプーパと言い、南米産である。これは稲を食い荒らす南米産の害虫で繁殖力も非常に強い。日本に入り込んだら田んぼという田んぼは軒並み全滅するだろうと予測されている。
そのフラメウスプーパが蛹(さなぎ)の状態で日本に持ち込まれた。それを持ち込んだ人間は連続殺人の被害に遭い死んでいた。連続殺人を追う鮫島と蛹を追う検疫官の甲屋がそこで初めて顔を合わす。
蛹が羽化してしまうと日本の農業に致命的なダメージを与える。タイムリミットは蛹が羽化する直前まで。
限りある時間の中で鮫島はコロンビアマフィアを追い、甲屋は蛹を追いかける。どうやら両者には接点があるらしいと分かり二人はタッグを組む。
ここからの展開は読んでからのお楽しみである。
ちなみにフラメウスプーパは作者の創作物で実在はしないそうだ。
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第五作目のテーマは虫。ただの虫ではない。日本には生息していない外来種の害虫が持ち込まれるというところから物語りは始まる。農水省の検疫官が相棒として出てきます。虫を持ち込んだのはコロンビアマフィア。鮫島はコロンビアマフィアを追い、検疫官は虫を追いかけます。これもお薦め。
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・まぁ所謂ひとつの非合法でアングラな活動をするイラン人と台湾人の対立・抗争というのが一つの事件。・娼婦に性病をうつされた事で人生がメチャクチャになったと
思い込み、その娼婦を殺してやろうと躍起になる男の事件が二つ目の事件。・ラブホテル連続放火が三つ目の事件。・コロンビアから出稼ぎにやって来た娼婦と共に日本に持ち込まれてしまったイネ科の害虫の卵を追うというのが四つ目。これらの4つの事件が複雑に(都合よく?)絡み合い、事件は終結を迎える。一つ一つの事件は割と小粒ではあるけれど、それを巧みに繋ぎ合わせて一つの小説に仕上げてしまう作者の
力量は正直なところ凄いと思いました。本当の事を言ってしまうと、この『新宿鮫』シリーズ、新鮮味やスリルといった部分が自分の中では回を追う毎に徐々に薄れてきた様に思えたのですが、こうして全体のプロットなんかを冷静に見てみると結構毎回凄い事やってるんだなと、改めて感じました。まぁ、純粋にエンターテイメント作品として見るなら、単純にドキドキやワクワクする部分を提供してくれるのが一番なんですけどね。
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長編。シリーズ第五弾!!
海外から持ち込まれた蛹。これがもし羽化すれば、日本の農作物は全て食べ尽くされてしまう。この蛹を処分すべく、鮫島は蛹の行方を追う!!
あれ?今回はあんまり盛り上がりもなく、始終淡々と物語は展開していきました。これといった見所や緊張感もなく、また、意外性もなくどんでん返しもなし。なんだかいまいちスッキリしない。鮫シリーズ読んだ後のいつもの爽快感がなく、隔靴掻痒の感が否めません。
それでも読ませる大沢先生はすごい(笑)あれよあれよという間に400ページ超ある長編を読み終わってしまいました★
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放火犯に海外から持ち込まれた危険な虫の幼虫探しに娼婦殺し.3つの事件が一つにつながるまで,サクサク読める.
個人的に晶とのからみが少ない気が.晶との絡みはかなり赤面ものだと思う.ハードボイルドだから許せる設定ダナ.
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新宿鮫シリーズ第5弾。面白かったです。あんまりハラハラドキドキはなかったけど、はずれがないので安心して読めます。甲屋さんはこれからも出てくるのだろうか?なかなか面白いキャラでした。鮫島は相変わらずかっこいいし、桃井課長も渋いし、次巻の活躍が楽しみです。
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3つの事件が同時に進行していき、それぞれが絡み合っていくんだけど、どれに焦点を当てればよいのか、イマイチはっきりしなかった。タイトルにもなっている炎蛹(フラメウス・プーパ)も、最後に割りとあっさり処理されちゃうし。これまでの作品の中では、一番盛り上がりに欠けてたというのが正直なところか。
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放火犯に海外から持ち込まれた危険な虫の幼虫探しに娼婦殺し.3つの事件が一つにつながるまで,サクサク読める.
個人的に晶とのからみが少ない気が.晶との絡みはかなり赤面ものだと思う.ハードボイルドだから許せる設定ダナ.
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むーん。地味だなぁ。過去4作比較し、鮫シリーズで最も地味かも。いくつもの事件が平行して錯綜しているけどそれぞれの必然性に説得力がないんだよなぁ。なぜ放火に至ったのか?なぜイラン人と台湾人が対立するのか?
そして何より今までの作品での吸引力のひとつであった鮫島の怒りの希薄なところがドキドキ感を奪っているような気がする。警察、消防、防疫所、みんな鮫島を助ける。対立が鮫のおもしろいところなのだが...
とはいえ二日くらいで読了したので、おもしろいといえばおもしろい。ムラカミは今後も現れるのでしょうか??
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鮫5弾。
3つの事件が重なっている今回は、少々場面の切り替わりがバタバタと忙しい。
でもさすが大沢せんせ。
そのあたりはさらっと上手く書き分けていると思う。
それと気に入ったのは今回は鮫にパートナーがいること。
甲屋さんと一緒に行動しなければならないという制限が、そういうのに慣れていない鮫の新たな一面を垣間見せてくれていて、ファンとしてはとても楽しかった。
けれど、3つの事件が錯綜してこちらの精神状態もハイになってはくるものの、特別最後に大波となってドーン! という感じではなくて残念。
鮫の疲弊具合はいつになく凄いので(笑)、「今回は大変だなあ。最後どうなる?どうなる?」とか思っていると、あれ、なんか簡単に終わっちゃったなー……というか……。
晶との絡みも少ないし、少し物足りなかったかな。
それとイラン人と台湾人の抗争の背景も見えづらかった。
そういった難はあるものの、それでも抜群の安定感があり、読書時間が思ったように取れなかったのだけれど、期間があいてしまってもとても楽しませてもらいました。
何よりも一番のファンである桃井がいつも以上に格好良かったので、ちょうごちそうさまだった。(不純)
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新宿鮫シリーズ、5作品目。
かなり順調に読み進めてますw
外国人マフィア同士の抗争、
ラブホテルの連続放火事件、
外国人の売春婦連続殺人、
っていう3つの事件がこんがらがったストーリー。
なんとなぁくの接点はあるけど、
別にすべての事件に関連性があるわけではない。
鮫島さん、大変です。
同時期に起きちゃった
この3つの事件をすべて捜査するんだから。
場面がクルクル変わるから、
最初はわけわかんなくなりそうだったけど…
今回の犯人はけっこう精神冒されちゃってる系の人もいて、
心理描写がすごい上手に書かれている作品だったかな。
普段は一匹狼の鮫島が、
最初から最後までチームを組んで事件を追っていくの。
相棒は、農水省植物防疫官の甲屋…
彼は南米から持ち込まれた稲の害虫
「フラメウス・プーパ」の付着したワラ細工を探していてね、
その持ち主が、鮫島が追ってるイラン人マフィアの彼女なわけ。
甲屋さんもそうなんだけど、他の登場人物も、
今回は魅力的な人がけっこう出てくるよ。
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娼婦殺人、連続ラブホテル放火、それから海外から持ち込まれてしまった害虫の行方──と独立した事件が絡み合って作中ずっと緊迫感があります。事件の被害者や加害者が他の事件の重要な情報を持っていたりするため、誰かを捕まえればいいのに誰もが隠れる、というシチュエーションがよかったです。
頑固で、だけど独特のユーモアを持った甲屋さんが良い味出してました。
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新宿鮫の中でも、一番入り組んだ話です。放火、防疫、外国人犯罪、殺人の4つが重なり合い、それぞれがどこかでそれぞれのヒントになっている。非常に良くできています。いつものことながら、鮫島刑事を取り巻く、サブ・キャラクターがいい味を出しています。
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第五弾、これまた面白かったです !
今回は一匹狼である鮫島に、相棒が登場。
鮫島の謙虚な態度が微笑ましく、またこの相棒もいいキャラでした。
(最後はハラハラしました)
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うーん、不完全燃焼かな?
幾つかの事件が同時に処理せざるを得なくて、それぞれが絡み合っててというパターンだったけど、
そもそもそこまで複雑じゃないし、一つ目が解決した後のほかの案件の処理が適当。
数ページでモノローグ形式でかたづけてしまっているし、何よりもサブタイトルにまでなっている炎蛹の存在が不必要。
悪役として今後登場しうる強敵な人物がでてきたけど、それもイマイチ凄さが伝わらない。