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紙の本
こんなに面白いのに邦題が「射程圏」ぢゃ可哀想だよ
2001/11/10 23:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snake - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポロックの作品は日本デビューの「樹海戦線」からずっと読んでいるのだが,邦題にめぐまれてないといつも思うのである。この本も,こんなに面白いのに「射程圏」ぢゃ可哀想だよ。原題は「Nowhere To Hide」,直訳すれば「隠す場所なし」。直訳の方がまだいいくらいである。
ニューヨークで高級コールガールをしているニコール・バスはある日,上得意だった弁護士に呼ばれ,一緒に逃げてくれと頼まれる。断る口実を考えながらバルコニーに出たところに,マフィアのボスが現れ弁護士を射殺,その場はうまく逃げおおせたものの,ボスを刑務所に入れることのできる唯一の目撃者として追われるハメに。潜入捜査員から彼女の存在を知った警察側も保護するために彼女を探すが,実は彼女には,そうおいそれと当局を信じて頼れない「過去」があった……。
と,まぁこんなスジダテなので,隠す場所がないのはこの証人の彼女自身なんである。後半,彼女を追ってプロの殺し屋なども出てくるが,敢えて分類すればこいつも「スナイパー」ではなくて「ヒットマン」なんであり,遠距離狙撃をするわけではない。「射程圏」という日本語はそぐわないよ,どう考えても。
ディティールをおそろかにしないポロックのペンは,上に紹介した娼婦バス,そして彼女を守ろうとするNYPD組織犯罪監視班の刑事カービイ,マフィアの親玉ジャネロのような「主役級」のみならず,ほんのちょっとした傍役まできっちりと人物造形がされており,実に読みごたえのある作品にしあがっている。うーん,しつこいようだけど,「射程圏」ぢゃヒドいよ。