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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.6
- 出版社: こぶし書房
- サイズ:20cm/342p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87559-160-8
- 国内送料無料
紙の本
人間不在の進歩 新しい技術、失業、抵抗のメッセージ (こぶしフォーラム)
著者 デービッド・F.ノーブル (著),渡辺 雅男 (訳),伊原 亮司 (訳)
産業革命以来の機械フェティシズムの宗教性を批判し、「生産性」と「競争力」の神話を撃つ。合理化にさらされる労働者に向けて、「進歩」というイデオロギーを乗り越え機械破壊との連...
人間不在の進歩 新しい技術、失業、抵抗のメッセージ (こぶしフォーラム)
紙の本 |
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- 税込価格:60,940円(554pt)
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商品説明
産業革命以来の機械フェティシズムの宗教性を批判し、「生産性」と「競争力」の神話を撃つ。合理化にさらされる労働者に向けて、「進歩」というイデオロギーを乗り越え機械破壊との連帯を提言する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
デービッド・F.ノーブル
- 略歴
- 〈ノーブル〉1945年フロリダ生まれ。ドレクセル大学教授等を経て、現在、カナダのヨーク大学歴史学教授。行動する知識人として労働や教育現場で精力的な活動を展開。
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紙の本
テクノロジーの発展が直ちに人類の進歩に繋がるという偏見を打破する
2001/11/06 22:16
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投稿者:佐々木力 - この投稿者のレビュー一覧を見る
19世紀半ばの第二次産業革命以降、歴史を牽引する最大の動力は科学に基づくテクノロジーであるという考えが世界を支配するようになった。19世紀には蒸気機関、20世紀中葉までは電気力、その後は原子力、現在は情報技術の発展が直ちに歴史の発展に通ずるという考えが欧米のみならず、先進資本主義諸国全体を席巻し、そして現に猛威をふるっている。しかし本当にそうだろうかと疑問を投げかけ、19世紀初頭、とくに英国労働者の間で影響力をもった機械打ち壊し運動のある種の復権を試みているのが本書である。
技術は普遍的な進歩の原動力という考えは中世ヨーロッパで出現した「宗教」であるとまで著者は考え、そして、工場への機械持ち込みに反対したネド・ラッドの考えは人間性の証なのだと主張する。著者は技術信仰はマルクスまでをも浸食していたのだとし、失業を恐れて機械打ち壊しをした労働者の志の復権を呼びかけている。
こう書くと、著者が単純な反技術の思想家であると誤解されるに違いない。が、実情は必ずしもそうではない。工場労働者の要求を盛り込んだ「オールターナティヴ・テクノロジー」の提案をしたり、学ぶべき点は多々ある。要するに、著者は技術はそのまま容認してしかるべきものではなく、ある種のイデオロギーである、と言いたいのである。そうすれば、著者の主張の過半は納得がゆく。この延長上に、著者のマルクスの読み方は性急に過ぎ、もっと遠大なパースペクティヴで読んだら、正しい解釈ができただろうにと惜しまれる。著者の念頭には、恐らく、ソヴェト・マルクス主義、すなわちスターリン主義の技術崇拝の思想がマルクス自身のものであるかのような観念があるのだろう。
著者は、アメリカの産軍学複合体に真っ向から闘いを挑み、MITの職を追われたという経歴の持ち主である。硬骨漢の著作の邦訳の出現を喜びたい。 (bk1ブックナビゲーター:佐々木力/東京大学教授 2001.11.07)