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紙の本
たったひとつの 浦川氏の事件簿 (ミステリー・リーグ)
著者 斎藤 肇 (著)
「それじゃ、聞くけど」「どうぞ」「君さ、人を殺しただろ?」 「たったひとつの事件」から始まるさまざまな出来事。そして探偵・浦川氏の活躍、積み重なる謎。究極の真相とは? 本...
たったひとつの 浦川氏の事件簿 (ミステリー・リーグ)
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商品説明
「それじゃ、聞くけど」「どうぞ」「君さ、人を殺しただろ?」 「たったひとつの事件」から始まるさまざまな出来事。そして探偵・浦川氏の活躍、積み重なる謎。究極の真相とは? 本格推理小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
斎藤 肇
- 略歴
- 〈斎藤肇〉1960年群馬県生まれ。「星新一のショートショートコンテスト」などで活躍後、88年に「思い通りのエンドマーク」で本格ミステリ長編デビュー。「魔法物語」等のファンタジーも手がける。
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紙の本
原書房ミステリー・リーグ第3作は連作ミステリ。ただし、全体を通した複雑な仕掛に注目
2001/10/03 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:葉山響 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書が連作ミステリであるということは、版元である原書房のサイトでも言及されているから、ここでも特に隠す必要は無いだろう。というより、本書に関しては連作長編であることを意識しながら読み進めた方が——1日1編ゆっくりと読み進めるような読み方はせず、それこそ長編を読むつもりで一気に読んだ方が──数段楽しめるのではないか。
本書における連作の試みは、幾つか先例を挙げられるもので、従って何が試みられているのかを見破るのは比較的容易かも知れないが、それでも作者のお手並み拝見という楽しみは損なわれない。また全体を通して複雑な仕掛けが用意されているため、個々の短編の内容を忘れてしまわないうちに読み切ってしまうことをお勧めしておく。
ただ、本書をただの短編集として読んだ場合でも、個々の内容がかなりバラエティに富んだものなので、——例えば、年配の女性の穏やかな語りによる安楽椅子探偵譚風のミステリがあるかと思うと、サイコ・スリラー風多重人格ミステリがあるといった具合で——「さあ、次は何を繰り出してくるのか」という楽しさがある。
なお、中でも興味深く読んだのが「たったひとつの事件」と「閉ざされた夜の事件」。後者はゼロサム・ゲームの優勝の行方に謎を絡めた斬新なアクション本格ミステリ(?)であり、一方、前者は如何にもメタミステリを好む著者が書きそうな観念的なミステリで、これをもっと突き詰めると凄まじい作品が生まれるかも知れないという可能性を感じた。
連作長編として、もう少し親切な書き方がされていると更に高く評価できたかも知れないが、たまには完成度を云々するのが虚しくなるようなひねくれた作品があっても良い(探偵役の浦川氏という名も「裏返し」から採られたものだろうか)。斎藤肇のミステリの中で、最も楽しく読める作品のひとつではないかと思う。
斎藤肇は雑誌《ショートショートランド》で活躍した後、綾辻行人に続く第二の新本格ミステリ作家として八八年に『思い通りにエンドマーク』を上梓、本格ミステリの分野に乗り出した。以降『思いがけないアンコール』『殺意の迷走』などのミステリや、『レイテア——砂の都』『魔法物語』などのファンタジーを執筆。本書は九一年の『夏の死』『あいまいな遺書』以来、ほぼ十年ぶりのミステリの著作となった。 (bk1ブックナビゲーター:葉山響/ライター 2001.10.04)
紙の本
ちょっぴり不思議な後味の連作長編ミステリー
2001/10/13 14:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
サブタイトル「浦川氏の事件簿」ということで「たったひとつの事件」「はじめての事件」「壁の中の事件」「すれ違う世界の事件」「浦川氏のための事件」などなど全8編。
浦川氏が関わった事件を描く短編集…ですが、これがなかなかひとことでは片付けられない「浦川氏」なのでした。
あまり書くとネタバレになってしまうので、うまく説明できないのがもどかしいのですが、最後まで読むと「なるほど」な事件簿です。時と場所を隔てたバラバラな事件が、ラストでくるりとつながって…納得の「へそまがり」な結末。
斎藤肇のミステリーってことで、相当ひねくれてるだろう…と、一応、覚悟はしてたつもりが…うーん、やられました。
なんか変だぞ??? とは思っていたけど、最後までどうなっているのかわかりませんでした。油断してると、最後まで読んでもなんだか「あれ〜???」ってなことになってしまうかもしれません。
ちょっぴり不思議な後味の連作長編ミステリーです。
初出うたたね通信社