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商品説明
4世紀末、古代日本の正規軍は東アジアの覇権をかけ強国・高句麗と熾烈な戦いをつづけた。いま、初めて明らかにされる高句麗・好太王碑の十六年戦争の全貌。日本民族の誇り高き歴史を描く『産経新聞』の連載、シリーズ第2弾。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
八木 荘司
- 略歴
- 〈八木荘司〉1939年兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。現在、産経新聞編集特別委員。著書に「原告・宮津裕子」、有沢創司の筆名で「ソウルに消ゆ」「ガイアの季節」など。
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紙の本
教科書が教えない「謎の世紀と任那」の真実
2003/01/28 17:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の古代史において、4世紀は「謎の世紀」と言われている。その理由は、この時代の日本に関する記述が中国の歴史書にない、ということである。私も学生時代にそのように教わっていた。ところが、朝鮮の高句麗好太王碑文や日本書紀など、複数の史書に当時の日本がしっかりと書かれているのである。
例えば、好太王碑文には、日本軍の侵攻を受けた新羅を救援するために、高句麗軍が駆けつけたときには、新羅城内はすでに日本兵で満ちていたことや、高句麗領内深くに日本軍が侵攻したことなどがはっきりと記されている。当時の日本は軍事大国だったようである。
一説では、好太王碑文は日本書紀ともども記述が捏造されているという。しかし、国内外にまたがる複数の史書の同じ記述がともに捏造だというのは全くナンセンスな話である。古代日本が大国だったことを認めないという特別な意図が働いているのではないか。
因みに好太王碑文は現在の中国領土内にあるが、中国人学者によれば捏造の形跡はない、ということである。あたりまえのことだ。
また、私が学生の頃、「古代の朝鮮半島には、高句麗、新羅、百済、任那の4国があり、任那には日本府が置かれて日本の支配が及んでいた」と教わっていた。ところが、なぜか任那に関する記述が教科書から消えていき、今ではあまり教えられていないようである。ところが、ところが、任那は国内外の複数の史書の中にしっかりと生きているのである。
本書は、シリーズ2作目として、前作と同じく、国内外の史書の記述をもとに歴史小説として古代日本を描き出したものである。
神功皇后の新羅征討から、応神天皇、仁徳天皇、「倭の五王」の時代、そして後半は、継体天皇の擁立から、磐井の乱、任那の滅亡、蘇我氏の台頭まで、ストーリー展開も大変に面白い。
任那は、百済への四県割譲に始まって、最終的に新羅によって併合されてしまうのだが、日本がどのようにして任那の権益を失っていったのか、注意深く読みたいところだ。そこからも教訓とすべきことがいくつかあると思う。
本書は、「教科書が教えない古代史」として中高生にも読ませたい書である。