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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.9
- 出版社: 講談社
- サイズ:30cm/159p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-06-210541-1
- 国内送料無料
紙の本
アルフォンス・ミュシャ波乱の生涯と芸術
著者 アルフォンス・ミュシャ (画),ミュシャ・リミテッド (編),島田 紀夫 (監訳/訳),坂上 桂子 (訳)
ミュシャ美術館公認の決定版ミュシャ画集。アールヌーヴォーの中心的画家ミュシャの波乱に富んだ生涯と作品のすべて。祖国プラハに実現した美術館が研究者を動員して編纂した初の公式...
アルフォンス・ミュシャ波乱の生涯と芸術
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商品説明
ミュシャ美術館公認の決定版ミュシャ画集。アールヌーヴォーの中心的画家ミュシャの波乱に富んだ生涯と作品のすべて。祖国プラハに実現した美術館が研究者を動員して編纂した初の公式カタログを本邦初訳。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アルフォンス・ミュシャ
- 略歴
- 〈ミュシャ〉1860〜1939年。チェコ生まれ。アール・ヌーヴォーを代表する画家。戦禍にもまれ、晩年は祖国のために「スラヴ叙事詩」シリーズを完成。
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紙の本
ミュシャはもちろん、アール・ヌーヴォー全般に関心のある場合でも、ぜひとも手許に置いておきたい
2001/11/05 22:16
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投稿者:赤塚若樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひさしぶりにアルフォンス・ミュシャのことが気になったのは、チェコで刊行中の写真集のシリーズのラインナップに名前があがっていたからだった。19世紀中頃の生まれだから写真に手を染めていたとしても不思議はないが、一冊の本がつくれるほど多くの「作品」を残していたのだろうか。届いた本を開いてみると、たしかに1冊の写真集にはなっている。ところが、そこに収められた写真は、ポスターやタブローから感じられる「ミュシャ」のイメージにはどうにも結びついていかないのだ。その落差にいくぶん当惑しているところに、この本の登場とあいなった。
本書については、まず「ミュシャ美術館公認の決定版」として刊行されているという点にふれておこう。その体裁はといえば、わりと手軽に手に取れる大判のソフトカバーの美しい画集といっておくことができるだろうか。はじめにミュシャの全体像の概観があり、そのあと本編として、「ポスターの巨匠」、「パリでの躍進」、「ベル・エポックのためのデザイン」、「ボヘミアへの帰国」、「絵画」、「写真」、「素描とパステル画」、「スラヴ叙事詩」というタイトルの章がならび、最後に年譜と索引がおかれている。個々の作品のキャプションや解説のほか、各章にそれぞれ専門家の文章が添えられており、なるほどこれ1冊あれば、ミュシャの芸術全体についてはひととおり把握することができるだろう。ミュシャはもちろん、ミュシャが代表のひとりとされるアール・ヌーヴォー全般に関心がある場合でも、ぜひとも手許に置いておきたい、そんな本だ。
このことを確認したうえでミュシャの写真にもどるとすると、本書の解説によれば、家族や友人の写真や取材旅行の写真のほかは、絵画を描くさいの参考——題材、構図、モデルのポーズなどの——としてもちいられるものだったという。どうりで「作品」らしくなかったわけだ。いわれてみれば(前述の写真集の記述にしたがえば)、たしかに本書の115ページの右下の写真「ミュシャのアトリエでポーズするモデル」は、37ページのカラー・リトグラフ「エメラルド」の題材となっているようにみえる。やはりミュシャはまず第一に画家だったのだ。
その「ミュシャ」のイメージはとうの昔に一般に浸透しているものと思っていた。ところが、その「世界的な復活と再評価の潮流」はここ10年ほどのものにすぎないらしい。その最初期のものとしてあがっている「1989年の日本」の展覧会には行った記憶があるが、ついこのあいだのことではないか。とはいえ、そうした流れもこの「決定版」の刊行をもって、ひとつの区切りを迎えることになるのだろう。 (bk1ブックナビゲーター:赤塚若樹/翻訳・著述業 2001.11.06)